2015/03/09
Q 結婚に際し結婚式や式以外の費用も親から融通してもらう予定なのですが、あまりに多額の贈与だと当たり前ですが、贈与税がかかってしまうのでしょうか。
A 平成27年度税制改正で「結婚子育て資金の一括贈与非課税制度」が創設されました。
これは、個人(20歳以上50歳未満の者に限る。以下「受贈者」という。)の結婚・子育て資金の支払いに充てるためにその直系尊属(親や祖父母。以下「贈与者」という。)が金銭等を拠出し、金融機関(信託銀行など)に信託等をした場合には、受贈者1人につき1,000万円(結婚に際して支出する費用については300万円を限度とする。)までの金額に相当する部分の価額については、贈与税が非課税となる制度となります。
なお、結婚・子育て資金とは内閣総理大臣が定める以下の費用に充てるための金銭をいいます。
(1)結婚に際して支出する婚礼(結婚披露を含む。)の要する費用、住居に関する費用及び引越に要する費用のうち一定のもの
(2)妊娠に関する費用、出産に関する費用、子の医療費及び子の保育料のうち一定のもの
また、受贈者は、払い出した金銭を結婚・子育て資金の支払に充当したことを証する書類を金融機関に提出しなければなりません。
ですが、このあたりの手続きについては「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」と類似する点が多いです。
結婚・子育て資金の金融機関との管理契約は、(1)受贈者が50歳に達した場合、(2)受贈者が死亡した場合、(3)信託財産等の価額が零となった場合において終了の合意があったときのいずれかに該当すれば終了しますが、(1)又は(3)に掲げる事由に該当したことにより結婚・子育て資金管理契約が終了した場合において非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額があるときは、これらの事由に該当した日に当該残額の贈与があったものとして受贈者に贈与税が課税されます。
なお、上記(2)に掲げる事由に該当したことにより終了した場合には、贈与税は課されません。
また、その他の留意点として信託等があった日から結婚・子育て資金管理契約終了の日までの間に贈与者が死亡した場合には、当該死亡の日における非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額については、受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなして、当該贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算されます。
この場合において、当該残額に対応する相続税額については、相続税額の2割加算の対象とはなりません。なお、当該残額は、結婚・子育て資金支出額とみなされます。
一般的に結婚式や披露宴の費用を両親が負担した場合は、その結婚式・披露宴の内容、招待客との関係・人数や地域の慣習などによって様々であると考えられますが、それらの事情に応じて、本来費用を負担すべき者それぞれが、その費用を分担している場合には、そもそも贈与には当たらないとされ贈与税は課されませんでしたが、こちらの制度は、結婚式以外に引っ越しや出産費用など広範囲に使用でき50歳まで猶予があることから各家庭の事情を勘案していただきどちらが有利かよく判断してお使いいただく方が良いかもしれません。
ガルベラ・パートナーズグループではどちらが有利かのシミュレーションも実施することが可能ですので是非ご相談ください。