GERBERA PARTNERSブログ

会計|在庫のお悩み解決します!~適正な在庫管理その1~在庫管理の手法

2015/04/13

Q 弊社は、商品販売業を営んでいますが、在庫をどのように管理するかが経営上の重要な課題となっています。適正な在庫管理を行うためにはどのような方法がありますか。

 

A お尋ねの通り、多くの経営者がいま、適正な在庫管理への強い関心を持つようになっています。今回は、適正在庫シリーズの第一回目として、企業が適正な在庫管理を行うための手法をお伝えします。

 

 在庫を必要以上に持ちすぎることは、収益を生み出すことのできる商品を倉庫で長期間眠らせてしまうことや商品の陳腐化を引き起こす要因となります。また、在庫が少なすぎると、商品を販売する機会を失う可能性があります。このように、会社は多すぎず少なすぎず、適正な在庫を持つ必要があります。

 

 また、在庫保管には、コストがかかります。保管にかかる費用としては次のものがあります。

・倉庫賃借料

・保険料

・水道光熱費

・倉庫内作業者、管理者人件費

・倉庫管理システム費用  など

 

 保管スペースは、一度確保すると固定費と考えられがちなことが一番の問題です。適正な在庫管理を行うなかでは、在庫そのもの多寡だけでなく、こうした保管スペースの削減にも意識的に取り組まなければなりません。

 

 それでは、在庫管理の基本的な手法としてはどのようなものがあるのでしょうか。

 

(1)ABC分析による管理

ABC分析とは、商品を重要度の高いものと低いものとに区分し、その重要度の高低によって管理度合いを変えることにより、多種にわたる商品を効率的に管理する手法です。具体的には、それぞれの商品の売上高を調べ、売上高の大きい順に商品を例えばA,B,Cの3グループに分けて管理を行います。その他には、売上高を基準とせずに、商品ごとのライフサイクルによるグループ分けで在庫管理を行う方法もあります。

 

(2)商品回転率による管理

自社の在庫の数量が適切であるかを検討するために使用されるのが商品回転率です。商品回転率とは、次の算式により求めることができます。

商品回転率=年間売上高÷商品在庫高

※商品在庫高は、期首の在庫と期末の在庫の平均値を使用するのが一般的です

例えば、ある商品の年間売上高が2億円で、在庫が5,000万円とすると、商品回転率は4回となります。これは、1年間で4回在庫が入れ替わったことを意味しています。この商品回転率を各商品ごとに求めると、自社の商品のうちどの商品が売れているのかが分かります。商品回転率が大きければ大きいほど、在庫が倉庫にある期間が短いということになります。この商品回転率を、過去数年の数値と比較するのが基本となります。

 

(3)交差比率による管理

商品回転率が、売上高に着目して在庫を管理する手法だったのに対し、交差比率とは、利益に着目して在庫を管理する手法です。交差比率は、次の算式により求められます。

交差比率=商品回転率×粗利率

交差比率は在庫が少なく粗利が多ければ高くなり、在庫が多く粗利が少なければ低くなります。つまり、交差比率が高いほど1商品あたりの利益率が高い商品ということができます。交差比率を活用すれば、薄利多売で商品回転率を上げて勝負する商品なのか、1個売れると利益が大きく出る商品なのかがわかります。

 

(4)Zチャートによる管理

Zチャートによる管理とは、月別売上高と当該年度の月別累計売上高と12か月移動年計売上高の3つをグラフにし、そのグラフの形から将来の在庫量を決定する手法です。この管理手法は、各月の売上高の変動が激しい商品に適しています。この在庫管理の手法により、どの商品の在庫を増減すべきかが分かり企業戦略に反映させることができます。

 

 以上、適正な在庫管理のための手法をみてきました。在庫管理の徹底により、企業のキャッシュフローの改善にも役立ちます。ぜひこれらの手法を用いて、適正在庫を実現し、経営を改善しましょう!ガルベラ・パートナーズグループでは、在庫管理のコンサルティングを行っています。在庫をどのように管理すればいいかわからなくてお悩みの経営者の方は、ぜひガルベラ・パートナーズグループまでご相談ください。