2022/06/24
A、その通りです。丙欄から甲欄へと変更になった場合、丙欄を適用した給料についても、年末調整に対象に含めることとなります。
まず、甲欄、乙欄、丙欄の違いについて簡単に説明しておきます。
甲欄適用者
→「扶養控除等申告書の提出した者に対して使用する税額表」の適用者
乙欄適用者
→「扶養控除等申告書を提出していない者に使用する税額表」の適用者
丙欄適用者
→いわゆる日雇い労働者(2ケ月を超えることができない)に使用する税額表の適用者
今回のご質問の様に、丙欄から甲欄へ変更されるケースはよくあります。甲欄の場合、その年の最後に給料を支払う時点で、その年中に支払った給料全てを対象とするため、丙欄を適用して源泉徴収した給料も含めて年末調整を行います。
ここでの注意点は、他社支給の丙欄給料は年末調整の対象とはならないということです。他社の分まで年末調整に含めるケースは甲欄→甲欄、要するに、1つの会社勤務で転職がおこなわれた時のみとなります。基本的に甲欄で源泉徴収された給料以外は年末調整の対象となりません。
仮に、当社アルバイトが乙欄から甲欄へ変更した場合(引き続き当社と他社での2社勤務)の取り扱いを説明します。
この場合は、先ほどの丙欄から甲欄へと同じ様になりますが、当社は甲欄へ変更した時点で、もともと甲欄だった他社では乙欄となります。
こういったケースでの当社の年末調整の対象は、当社での乙欄と甲欄の給料及び他社での甲欄給料となります。他社での乙欄給料は当社では年末調整の対象とはなりませんので確定申告を行うことになります。当社で発行する源泉徴収票は、摘要欄に「甲欄時代の他社情報を記載する」ことになります。こちらにつきましては、通常の転職と同じ様な扱いです。
逆に、他社から見ると、甲欄から乙欄へ変更となっておりますので、源泉徴収票を2枚発行することになります(甲欄時代の給料と乙欄時代の給料の2枚)。すなわち、甲欄時代の給料は当社の年末調整に必要で、乙欄時代の給料は確定申告のために必要となります。
具合的には次の国税庁のURLにも同様の説明があります。
「主たる給与の支払者が交代した場合の記載方法」(国税庁)
次に、当社で丙欄から乙欄への変更の時(当初2ケ月以内の予定が、結果的に2ケ月超えて勤務することになってしまった場合)はどうなるのかについて説明します。この場合、当社において年末時点では乙欄となりますので、丙欄時代の給料と乙欄時代の給料を合わせた1枚の源泉徴収票を作成することとなります。そしてその源泉徴収票をもらった本人は確定申告を行うことになります。
最後に、中途採用者(当社の年末時点では甲欄)の他社給料が乙欄時代の場合について説明します。年末調整の対象となるのは、基本甲欄給料のみですので、乙欄時代の給料は年末調整の対象とはなりません。従いまして、この場合は当社の給料のみで年末調整を行い、他社の乙欄給料と合わせて確定申告を行うことになります。
年末調整実務もややこしい部分がたくさんありますので、間違いのない様にご注意ください
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