2015/06/26
Q 資金調達の手段として資本金を増加させることを考えていますがそのメリットを教えてください。
A 資金調達の方法として第三者割当増資という方法がありますが、その手続きにおいては何点か注意が必要となります。注意すべき点は、大きく会社法と税務上の二つに区分されます。
最初に会社法上注意すべき点は、下記の点です。
1.株式の譲渡制限が設けられている非公開会社は発行済株式総数の4倍を超える発行可能株式総数の設定ができないため、増資により株数を増やす場合には、発行可能株式総数の枠を広げるための株主総会を開催しなくてはいけない可能性があります。(株式の譲渡制限が設けられている非公開会社についてはこの4倍の制限はありません。)
2.増資後の株主間の権利関係を整理しておく必要があります。いざ増資をしたものの、増資後の株主の権利関係が歪んでしまってはもともこもありませんので、増資後の株主構成を考えて手続きを進める必要があります。
株主の権利としては、発行済議決権総数の1%以上保有している場合には、「総会の議題・議案提出権」、3%以上保有している場合には、「取締役・監査役の解任請求権」「帳簿の閲覧権」「総会招集請求権」、10%以上保有していると、「会社解散請求権」があります。
このように株主には、知らないところで予想以上に大きな権利を持っています。
次に、税法上の注意すべき点は、下記の点です。
1.既存株主と新規株主との間で起こりうる株式の有利発行と言う問題です。例えば、会社の株価が一株当たり10万円であるにも関わらず、一株当たり1万円で発行した場合には、差額の9万円については、有利に株式を取得したとして、新しく株主になった者に対して贈与税が課税される可能性があります。そのため、増資をする際には、一株当たりいくらで発行するか細心の注意が必要です。
2.資本金の額が増加しますので赤字法人でもかかる法人住民税の均等割額を意識した上で進めて頂く必要があります。増資した後に恒常的に思わぬ税金を支払い続けなくてはいけなくなる可能性がありますので、この点は注意してください。また、資本金が1億円を超えた場合には、税法上の中小企業者の特例が一切使えなくなりますので考慮の上で進めていただく必要があります。
このように、資金調達を目的に増資をする際には、会社法と税法を事前に十分意識して進めて頂けましたらと思います。
弊社では、増資の手続きはもちろん資本政策に特化した税理士がいますのでお悩みの方はガルベラ・パートナーズ東京事務所(03-5405-2815)までご相談ください。
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