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法人税|損金にできる?!役員退職慰労金の支給要件に注意!

2015/11/09

Q 役員への退職金(退職慰労金)はどれぐらい支給しても良いものなのでしょうか。また、支給できるタイミングについても教えてください。

 

A 役員への退職慰労金を損金に算入できる適正額の算出については、類似法人の功績倍率などを参考にして計算する方法が代表的です。

 

 計算式は、最終報酬月額×在任年数×役位別功績倍率になります。

 

 例えば、代表取締役社長の退任に伴う退職慰労金の金額は、最終報酬月額が150万円、在任年数が10年、功績倍率を一般的な功績倍率である3として計算すると

 「150万円×10年×3=4,500万円」ということになります。

 

 ただし、気を付けなければならないのは、功績倍率は代表取締役の場合3倍程度と言われておりますが、類似法人では2倍が一般的である場合、3倍では高すぎるといった指摘や、逆に3倍以上でも認められるケースがあるなど一概には判断できないという所です。

 

 また上記計算式の金額に「功労加算金」を追加するという計算もあります。

 

 功労加算金は一般的に上記算式で計算した退職慰労金の30%を超えない範囲で設定した金額を加算するものです。

 

 功労加算金も過大な部分は認められない可能性がありますので注意が必要です。

 

 退職慰労金の支給タイミングは、原則的には取締役を退任した時点とうことになりますが、分掌変更により代表取締役から取締役や監査役になるなど事実により支給することも可能です。

 

 ただし、形式的な分掌変更であって実態は分掌変更後も役員として主要な地位を保っていて経営への影響力があったり、役員報酬も分掌変更前とさほど変わっていないなど実質が代表取締役と何ら変わらないという状況が常態化している場合は、退職慰労金の支給そのものが認められないというケースがあるため注意が必要です。

 

 国税不服審判所において平成26年10月16日に裁決された事例では、前代表者が代表取締役から取締役相談役に分掌変更したことにより支給した退職慰労金を損金算入することはできないと判断されました。

 

 当該役員は、代表取締役から取締役相談役に分掌変更されたことにより給与が50%以上激減しているため、実質的に退職したと同様の事情があるからと退職慰労金支給し損金算入しましたが、前代表者が取締役として退任前と同様の業務を行っていたとして当該事情は認められないというものでした。

 

 役員退職慰労金の算定や、退職慰労金の支給時期については、その実態をその都度判断して支給することが大事になります。

 退職慰労金の支給についてお困りの際は、是非ガルベラ・パートナーズへご相談ください。


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