GERBERA PARTNERSブログ

消費税|消費税の軽減税率制度 制度の対象範囲が確定!!

2015/12/21

Q ここにきてかなり話題になってきている消費税の軽減税率制度ですが、軽減税率の対象となる範囲を教えてください。

 

A 先週発表された平成28年度の税制改正大綱において、平成29年4月1日から導入される消費税の軽減税率制度について、軽減税率が適用される対象の範囲が確定されました。

 

 酒税法に規定される酒類を除く飲食料品の譲渡(食品表示法に規定する食品の譲渡をいい、外食サービスを除く)と定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の譲渡については税率が8%のまま据え置かれることになりました。

 

 外食サービスの範囲は椅子やテーブルなど飲食を提供できる施設が備わっているところで出される飲食物は外食として規定され、フードコートなど一見テイクアウトのような場所でも外食として税率10%が適用され、純粋にテイクアウトだけの場合は8%の税率が適用されるという線引きとなりました。

 

 店内での飲食とテイクアウトや出前もやっている店舗において、食事の提供の仕方で2種類の税率が存在することで、出前やテイクアウトばかりが増えてしまうのではないかといった懸念が既に出始めている軽減税率制度ですが、ほぼ与党公明党の当初からの主張を踏襲するような内容で軽減税率の線引きがされたような格好となりました。

 

 今後は、軽減税率の導入に向けて、事業者において軽減税率制度に対応した仕入税額控除の方式(いわゆる「インボイス制度」を採用していなかなければならないところですが、すぐには対応することが困難なことが予想されるため平成33年4月1日からの導入までの間は、現行の請求書等保存方式を基本的に維持した「区分記載請求書等保存方式」という簡素な方法で対応するということで落ち着くようです。

 

 EU型インボイス制度では、請求書に記載された税額を積み上げて税額を計算することになるが、今回の「区分記載請求書等保存方式」では事業者の記帳事務やシステム改修に大きな負担が生じないよう、現行の税額計算方式と同じく税込価格を割り戻す方法を維持するものとなっています。

 また、現行通り請求書等の発行義務及び請求書等の写しの保存義務は課さないとし、罰則も課さないなどEU型インボイス制度とは大きく異なる内容となっています。

 

 今後もインボイス制度を含む軽減税率制度の導入に向けた実務的な内容についてどのような制度になっていくか注視する必要がありそうです。


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