GERBERA PARTNERSブログ

社会保険|ストレスチェックの実施の義務化拡大はいつから?

2025/10/16

Q、ストレスチェック実施の義務化が拡大されると聞きましたが、いつからですか?

     

A、現在は従業員数50人以上の事業場が対象ですが(50人未満は努力義務)、最近の法改正により、令和10年度までに50人未満の小規模事業場へも義務化が拡大される見込みです。

 

解説(公開日:2026/10/16)

 

1)そもそもストレスチェックとは?

ストレスチェック制度(「心理的な負担の程度を把握するための検査等」制度)は、ストレスに関する質問票(選択回答)に労働者が記入し、それを収集・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。

 

「個人のケア」と「職場環境改善」の両輪で、メンタルヘルス不調を未然に防ぐ仕組みとして、以下を主な目的としています。

  • ・各労働者が自分のストレス状態を把握できるようにする
  • ・ストレスの状況を本人に通知して「気づき」を促す
  • ・高ストレス者に対して面接指導等の措置を講ずる
  • ・集団分析を通じて職場環境の課題を発見し、改善につなげる

ストレスチェック制度は、平成27年12月に施行されました。

当時、メンタルヘルス不調や精神障害を原因とする労災認定の件数が増加傾向にあり、労働環境改善・過重労働対策の一環として制度化されたものです。

 

2)具体的に何をしたら良い?

1.導入準備

実施方法や実施者、スケジュールなどを決める

 

2.質問票配布・記入

労働者に質問票を配布し、回答してもらう

 

3.ストレス評価/判定

回答結果をもとにストレスの程度を評価

 

4.本人への通知

各労働者に結果を通知

 

5.面接指導等

高ストレスと判定された者には、医師などによる面接指導を実施

 

6.集団分析・職場改善

集団ごとにデータを分析して、職場の課題を把握し、改善措置を検討

 

7.記録・保存

結果や措置の記録を適切に保存

厚生労働省より無料で配布されている実施プログラムや、様々な人事システムもリリースされており、スムーズに実施できる環境が整ってきています。

また、システムだけでなく実施を委託できる環境も多数出てきておりますので、自社環境にあった選択肢をご検討ください。

 

3)現在の実施要件と対象者は?

1.実施が義務対象となる事業場

常時50人以上の労働者を使用する事業

一方、50人未満の事業場は、現行法では努力義務の扱いとなっています。

 

2.受験対象者の範囲

義務対象事業場では、すべての対象労働者対してストレスチェックを実施する必要があります。ただし、対象となる「労働者」には条件があります。

正社員だけでなく、以下の要件を満たす契約社員・パート・アルバイトも、チェックの対象となります。

ただし、1週間の労働時間が4分の3未満であっても、 2分の1以上の者については実施を考慮することが“望ましい”とされています。

  • ・期間の定めのない労働契約の者(正社員など)
  • ・期間を定めた契約であって、契約期間が1年以上、または更新により通算して1年以上継続見込みのある者
  • ・その者の1週間の所定労働時間が、通常の労働者と比して 4分の3以上 であること
 

3.実施頻度など

ストレスチェックは 年1回以上の実施が原則とされています。(1年以内ごとに1回実施)

実施者には、医師、保健師、または 厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師・精神保健福祉士 などが含まれます。

実施従事者(人事担当者など)についても、検査票の配布・回収やデータ処理などに関与する人を定め、秘密保持義務などを課す必要があります。

実施方法は紙・Webなどを用いたものが認められており、結果の通知、面接指導、集団分析、職場改善などはすべて制度上求められる要素となっています。

 

4)今後の動向

「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」が第217回国会で成立し、令和7年5月14日に公布されました。

これにより、50人未満の事業場を含めた全事業場でのストレスチェック義務化 が法的な方向性として定まりました。

この改正法では、ストレスチェックの義務拡大にあたって、「公布後3年以内に政令で施行日を定める」という規定が含まれているため、最長で令和10年頃までに 全事業場義務化が実行されると見込まれています

 

ストレスチェックの実施は、労働者にとっては、自らのストレスの状態・原因を知り、セルフケアのきっかけにすることができ、会社にとっては、労働者のメンタルヘルス不調になることを未然に防止し、職場環境の改善・労働生産性の向上を見込むことができます。

 

心身ともに健康で、成長を見込めるよりよい職場環境をつくっていくためにも、実施と今後に向けたご準備をいただければ幸いです。

 

社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、労務相談だけでなく、法改正による規定の改定や社内措置の検討についてのサポートもご提供しております。

どうぞ、お気軽にお問合せください。

   
 

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