2016/01/25
Q 有価証券の譲渡では国内取引、国外取引はどのように判定するのですか?また、船荷証券の譲渡についても教えて下さい。
A 有価証券の譲渡をした場合に、当該譲渡が国内取引か国外取引かは、譲渡時におけるその有価証券の所在場所によることとされています。したがって、株券の現物を保有している場合には、その現物を保管する会社の所在地が国内かどうかで判定をすることになります。
株券が証券会社で保護預りとなっている場合には、証券会社の所在地が国内かどうかで判定します。
次に外国法人が東京証券取引所に上場した株式の売買について見てみましょう。
たとえ東京証券取引所に上場した株式であっても、外国株式は国外の保管機関で保護預りとなることから、株券の所在場所は国外となります。結果、東京証券取引所を通じて売買した場合であっても、その譲渡は国外取引となります。しかし、証券会社に支払う委託手数料は課税仕入れとなります。
最近では有価証券について、現物(株券など)による流通を制御するためのペーパレス化が進められているため、株券の発行がないこともあるかと思います。この株券の発行がない株式は、消費税の法令に規定する有価証券には該当するものの、金融商品取引法に規定する有価証券ではないので、有価証券の所在場所での判定はできないことになります。
このように、所在場所が明らかではない資産の譲渡又は貸付けをした場合には、その譲渡又は貸付けを行う者のその譲渡又は貸付けに係る事務所等の所在地により内外判定を行うこととなっています。
したがって、株券の発行がない株式を譲渡した場合には、本店や主たる事務所の所在地ではなく、その譲渡に係る事務所等の所在地で判定をすることになりますので注意が必要です。
最後に船荷証券の譲渡について見てみましょう。
「船荷証券」とは、船に積んである貨物を売買するときに使う証券であり、非課税となる有価証券からは除くこととなっています。したがって、「船荷証券」の譲渡は貨物の譲渡に該当し、その貨物が課税貨物である限り、課税取引に該当することになります。
消費税法基本通達では、その船荷証券に表示されている「荷揚地」が国内である場合の当該船荷証券の譲渡については、その写しの保存を要件として国内取引に該当するものとして取り扱って差し支えない、と定め、輸入貨物については貨物の到着前の譲渡であってもこれを国内取引に取り込むことを認めています。
ただし、船荷証券の譲渡を輸出免税の対象とすることができるのは、その貨物の荷揚地が国内の場合に限られます。したがって、荷揚地が国外とされている船荷証券を譲渡した場合には、その譲渡については輸出免税の適用はなく、国外取引に該当することになります。
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