2026/05/18
A、所得税は近年、異常な位の複雑な改正になっております。時限立法もあり、一般納税者のみならず、専門家の間でもあまりにも複雑すぎてややこしいと言われてます。
令和6年から令和8年にかけて、所得税の仕組みの中でも「基礎控除」と「給与所得控除」の控除額が段階的に引き上げられる方向で見直されます。とくに、年収が極端に高くない多くの方にとっては、「課税所得が小さくなる=税金がかかりにくくなる」改正といえます。ここでは、代表的な数字にしぼって、年ごとの変化を整理してみます。
まず、基礎控除の控除額の改正です。基礎控除は、収入のある人に原則一律で認められる「共通の控除」で、令和6年分までは、合計所得金額が2,400万円以下であれば、一律48万円というシンプルな水準でした。つまり、たとえば会社員であれば、少なくとも48万円分は必ず所得から差し引いてから税金を計算していた、というイメージです。これが令和7年分からは段階的な仕組みに変わり、合計所得が低い人ほど控除額が大きくなるように設計されています。代表的なところでは、合計所得金額が132万円以下の場合は基礎控除が95万円、年収がもう少し高い層でも58万円程度と、48万円より広い非課税枠が用意されるイメージです。さらに令和8年分以降は、物価上昇などを踏まえた上乗せ措置も想定されており、多くの給与所得者については、実質的に100万円前後の基礎控除(たとえば104万円程度)が適用される方向で整理されています。従来の48万円と比べると、控除額としては「約2倍」に近い水準まで引き上げられる、かなり大きな変更です。
次に、給与所得控除の控除額の改正です。給与所得控除は、サラリーマンやパートなど「給料で働く人」に自動的に認められる概算経費のようなもので、令和6年分までの最低額は55万円でした。たとえば、給与収入が160万円程度しかなくても、そこから55万円を差し引いた残りに対して税金を計算する、という形です。令和7年分からは、この「最低55万円」の部分が見直され、最低額が65万円に引き上げられます。つまり、同じ給与収入でも、控除額が10万円増える分だけ、課税の対象となる所得がそのまま10万円少なくなるイメージです。さらに令和8年分では、物価動向を踏まえた上乗せも組み込まれ、最低額が70万円台前半(たとえば74万円程度)まで引き上げられる方向とされています。令和6年の55万円と、令和8年の70万円台前半とでは、控除額に15万円以上の差が出る可能性があり、この差がそのまま「税金の計算から外れる金額」の増加という形で効いてきます。
このように、「基礎控除」と「給与所得控除」をセットで見ていくと、令和6年分と比べて令和7年分・8年分では、控除額の合計がかなり大きくなっていることが分かります。ごく大雑把なイメージですが、令和6年では「基礎控除48万円+給与所得控除55万円=合計103万円」だったのに対して、令和7年では「基礎控除95万円+給与所得控除65万円=合計160万円」、令和8年では「基礎控除100万円前後+給与所得控除70万円台前半=合計170万円台」という水準まで、課税前に差し引ける額が増えていく形です。数字だけを見ると少しややこしく感じるかもしれませんが、実務上のインパクトとしては、「以前よりも、税金を計算する前に差し引ける金額がかなり増える」ということになります。
実際の現場では、「昨年と同じくらいの年収なのに、今年は所得税があまり引かれていない」「以前は年末調整で追徴が出ていたが、最近は還付になることが多くなった」といった形で、この改正の効果を実感される方が増えてくると考えられます。一方で、控除額は合計所得金額によって細かく変わるため、一律に「全員がこの金額」というわけではありません。特に、高所得者については基礎控除が段階的に縮減される仕組みが維持されているため、「すべての人に同じだけの減税」というよりは、「中低所得層に厚く配慮した改正」という性格が強い点には注意が必要です。ご自身や従業員の方にどの控除額が適用されるか、具体的な金額を確認したい場合には、年末調整の源泉徴収票や確定申告書をもとに、個別に計算していくことが大切になります。
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