2016/12/28
Q 年金の受給資格期間が10年になると新聞に載っていました。これからは、10年支払えば年金がもらえるという事なのですか?また、10年になるのは、いつからですか?
A 現在、老齢年金を受給するためには、原則25年以上の受給資格期間が必要です。
「受給資格期間」とは、保険料を納めた期間、保険料を免除された期間と、カラ期間と言われる保険料を納めていなかった任意加入期間を通算した期間です。この受給資格期間を満たさないために、年金を受給できない人が多いことが問題となっています。
その対策として、消費税を10%へ引き上げることを条件に、年金の受給資格期間を10年に短縮することが決まっていましたが、消費税の引き上げが延期された為、年金の受給資格期間短縮も延期になると思われていました。しかし、予想に反して11月に改正年金機能強化法が可決され、受給期間の短縮が決定しました。
受給資格期間が25年から10年に短縮されることになり、新たに約64万人が年金を受給できるようになるであろうと予想されています。
□ 年金受給資格が10年になるのは、いつからでしょうか?
改正年金機能強化法は、平成29年8月1日に施行されることに決定しました。つまり、翌月9月分の年金からとなりますので、実際の年金の受け取りは10月からになる予定です。
□ 月額でいくら位もらえるのでしょうか?
厚生年金の受給金額は、各自の加入期間だけでなく、現役時代の給与金額によっても違いますので、国民年金の受給金額である基礎年金の部分についてのみ説明します。
現在、国民年金の受給金額は満額もらえる受給資格期間40年の場合は、月額で65,008円です。今の制度に基づいて25年の期間中に保険料をすべて納めていたとして、受給できるのは月額約4万円になります。
また、これから始まる短縮措置による10年で受給するとしたら、国民年金の受給金額は、月額約1万6000円になります。
ただし、10年の受給資格期間に、保険料免除期間やカラ期間も含まれる場合には、この月額1万6000円は減額されることになります。
当然ですが、みんなが満額もらえるわけではなく、各自の保険料を納付した期間によって、年金額には差がでることになります。
□ 保険料の免除制度について
自営業者や20歳以上の学生など国民年金第1号の加入者には、収入により保険料が免除になる制度があります。
保険料の免除制度を受けている期間は、年金受給資格期間に通算されますが、保険料を未納してしまうと、年金額だけでなく、年金受給資格期間にも反映されません。また、障害や死亡の際に、障害基礎年金や遺族基礎年金が免除期間なら支給されますが、未納期間の場合は支給されません。
このように収入が少ない時には保険料の免除制度がありますが、自動的に免除してもらえるわけではなく、自分で申請しなければなりません。
免除の申請はお住まいの市区町村の役所の窓口で行っていますので、未納期間をつくらないようにするためにも、是非ご利用ください。
弊社では、年金も含めて、様々な労務や社会保険に関するご相談を承っております。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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