GERBERA PARTNERSブログ

法人税|不動産を買換える時の優遇税制ってありますか?

2017/01/06

Q この度、当社は20年くらい保有している郊外の収益物件(住宅用)を売り、都市部に新しい土地を購入して、そこに収益物件(住宅用)を建築しようと考えております。悩み所としては、売却した時に利益がでてしまう事です。利益を繰り延べることができる優遇税制はないのでしょうか?

 

A 特定資産を買換えた場合の圧縮記帳制度というものがあります。この制度では、よく1号買換と9号買換が使われます。まず、この違いから説明いたします。

 

■1号買換

既成市街地等で10年以上保有している事業用不動産を売却して、郊外(既成市街地等以外)で事業用設備を購入することにより、課税を繰り延べる制度です。

譲渡資産は、事務所、事業所として利用されている建物又はその敷地である土地が対象となりますので、店舗、福利厚生施設、住宅は対象となりません。

買換資産は、土地、建物、構築物、機械装置と制限は少ないですが、買換資産が土地であるときは、取得する土地の面積が、原則として譲渡した土地の面積の5倍以内であることが条件です。この5倍を超えると、超える部分は特例の対象となりません

 

 ※補足

 既成市街地等とは、東京都(特別区)、大阪市、名古屋市、神戸市及び京都市の区域とこれらの都市と隣接する都市のうち特定の地域のことをいいます。

 

■9号買換

10年超保有している事業用不動産の買い替えをした場合、課税を繰り延べる制度です

譲渡資産は、国内にある土地等、建物、構築物が対象となります。

買換資産は、国内にある土地等、建物、構築物が対象となりますが、土地等については、300㎡以上の土地に限られます。

さらに、買換資産が土地であるときは、取得する土地の面積が、原則として譲渡した土地の面積の5倍以内であることが条件です。この5倍を超えると、超える部分は特例の対象となりません。

 

 今回のご質問についてですが、そもそも譲渡資産が住宅のため1号買換は使えません。そうなると、9号買換を検討することになりますが、買換資産については、上記の通り土地に制限がありますので注意しなければなりません。

 

 もう一つ注意すべき事として、1号買換の場合は、平成29年12月31日までの譲渡、9号買換の場合は平成29年3月31日までの譲渡、という事が挙げられますが、これはあくまで現行法の話です。延期される可能性もありますので、随時情報の収集を怠らない様にしてください。

 


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