GERBERA PARTNERSブログ

事業承継|自社株を親族外に承継する際に納税猶予制度を適用する際の問題点

2014/10/20

Q 会社の株式を保有する先代経営者の相続が発生し、その際に相続税の納税猶予制度を利用して親族外に株式を承継しようと考えていますが、その問題点を教えてください。

 

A 平成27年1月1日以後に発生した相続からは親族外承継にも株式の引継ぎの際に発生する相続税について、納税猶予制度の適用を受けることができるようになります。

 

 親族内に後継者がいない場合に、社内に信頼できる役員や社外の同業経営者などに経営を託すため、先代経営者が親族外の後継者に対して遺言などで株式を相続するケースが今後ますます増えてくることが予想されます。

 

 この場合、株式を取得した親族外の後継者は、一親等の血族ではないため相続税額は通常の税額に対して2割が加算されるため、多額な相続税を払わなくてはいけないことになります。このような問題を解決するために相続税の納税猶予制度が親族外にも適用されることになり、自社株式の評価を80%減額した負担の軽い相続税で済むことになりました。

 

 しかし、この納税猶予制度を親族外に適用する場合には、注意が必要です。それは、相続税の計算では自社株式の評価が80%減額されるのは納税猶予を受けることができる親族外の後継者に限定されているということです。つまり、本来の相続人に対して減額されない高い評価で自社株式を他の財産と合算して相続税の総額を計算することになり、本来の相続人は高額な相続税を負担しなければならないことになります。

 

 そのため、親族外の後継者に対して納税猶予制度の適用を考える場合には、相続人の方と親族外の後継者の方で事前にこのような状況になるという前提でシミュレーションをして頂いた方が宜しいかと思います。

 

 弊社では、経営者の方々の現在の相続財産を基に株式を親族外承継をした場合に、本来の相続人の方にどれくらいの税額のインパクトがあるかのシミュレーションをして提示させて頂いております。

 親族外の納税猶予制度の適用をお考えの方はぜひご相談ください。