2014/06/10
Q 当社では、従業員に残業代を払っていないのですが、実際のところ従業員は毎月30時間程度の残業をしています。いまのところ従業員からは特に何か言われているわけではないのですが、今のうちに対策をしなければと悩んでいます。なにかいい方法はありませんか?
A 未払残業代の対策は数多くありますが、なかでも「固定残業代制度」を導入している企業がもっとも多いです。
固定残業代制度とは、あらかじめ○○時間分の残業代を固定給として毎月の給料に含めて支給しておく制度です。今まで基本給として払っていた金額を増額するのではなく、基本給と残業代に分けて、これらの合計額が従来の基本給と同額になるように支給するのが一般的です。もちろん、あらかじめ設定した残業時間数を超えて残業した部分については、別途で残業代を支給しなければなりません。
注意点としては、基本給部分と残業代部分を明確に分けておかなければならないという点です。「基本給に○○時間分の残業代が○○円含まれている」とか、「基本給のほか、○○時間分の残業代として○○手当を支給する」と定めればよいでしょう。残業代を計算するときの1時間あたりの金額が分かるようにしておかなければなりません。
また、今まで基本給だった金額が、今後は基本給と固定残業代に分けられるため、基本給は目減りしてしまいます。これについて、従業員それぞれにきちんと説明をして、必ず「同意書」を受け取っておく必要があります。この同意書を取り付けていないと、この対策が無効となるリスクが高いため、十分にご注意ください。