2017/11/15
A、就業規則を変更する際に、それが労働者にとって不利な労働条件となる場合は、「不利益変更」となり、一方的に変更しても無効となってしまいます。「不利益変更」を有効とするためには、「労働者との合意を得ること」または、「就業規則の変更内容が合理的なものと認められ、変更後の就業規則を周知させていること」が必要な要件となります。
解説
「就業規則」は、その都度、見直しや変更が必要なものです。ただし、その内容が職員にとって労働条件の悪化にあたる場合は「不利益変更」となります。その場合、変更を可能にするには、個々の労働者と合意するか、下記の2つの要件を満たすことが必要となります。
尚、「労働者と合意」の基準は、単に就業規則の変更に対して異議を述べなかったということだけでは認定されず、具体的な不利益事項について情報を提供し十分な説明を行い、労働者の自由な意思に基づいた上で合意をしていることが前提となり、慎重な判断が必要とされます。
次の点が合理的かどうかの判断基準となります。
変更により「労働者の受ける不利益の程度」と、変更しないままでいた場合に「経営状況に与える影響の度合い」とのバランスを考慮した上で、労働者にのみ不利益を被ることのないようにしなければ、その不利益変更は認められません。
変更内容が一般的に社会通念上、常識からみて妥当なものかどうかも問われます。
更に、不利益変更に対する代替措置がとられているかどうかも判断基準とされます。
「代替措置」とは、不利益変更をする代わりに他の労働条件をよくする措置をとることにより、バランスを図ることです。
例えば、1日の勤務時間を長くする代わりに、年間の休日日数を増やすという様に、客観的にみて、不利益変更に対してバランスがとれている条件でなければ意味がありません。
個別に結んだ「労働契約」と「就業規則」の内容が違う場合はどうなるのでしょうか?
労働契約法により「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となる」と定められています。つまり、就業規則が労働契約より上回る条件を定めていれば、その部分に関しては就業規則が優先されます。
当然ですが、個別の労働契約の方が就業規則より労働者側に有利な場合は、労働契約がそのまま有効となります。
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