GERBERA PARTNERSブログ

法人税|法人実効税率引下げでどんな影響がありますか?

2014/06/16

Q 最近、テレビや新聞で、法人実効税率の引下げのニュースを見ます。税率の引き下げは、私の会社には実際にどのような影響があるのでしょうか?

 

A 法人実効税率の引下げにより、利益が出た場合の税金は少なくなります。その一方で、その財源確保のために中小企業への新たな税金の導入や当期の損失を翌期以降の利益から控除する繰越控除制度の縮小が検討されており、利益が出ていない企業は逆に増税になることが予想されます。

 

 法人実効税率引下げのニュースは、6月5日に自民党・公明党の税制調査会が公表した「法人税改革に当たっての基本認識と論点」に基づいています。

 

 このペーパーで強調されるのは、法人実効税率引下げの代わりに課税ベースを拡大するということです。ここでは、新たな税金の導入を「中小企業に配慮しつつ」強化すると明記しています。また、損失の繰越控除制度により法人税を納付する企業が3割程度にとどまる状況を是正する必要がある点が述べられています。

 

 また、一部専門誌では、この繰越控除制度と並んで法人税関係で改正が確実視されるのが減価償却制度で、具体的には定率法が廃止され定額法一本とされるとしている記事もあります。

 

 法人実効税率引下げは、減税ではなく、逆に増税となる可能性があり喜ばしいニュースとは限りません。今後の動向が注目されるところですね。