GERBERA PARTNERSブログ

事業承継|医療法人版の事業承継税制ってどんな制度?

2014/12/08

Q 医療法人について事業承継税制が使えるようになったと聞きました。どのような制度か教えてください。

 

A ご質問のとおり、平成26年度の税制改正で、医療法人の持分に係る事業承継税制が創設されました。この制度は、医療法人版の事業承継税制というよりは「出資持分のある医療法人」が「出資持分のない医療法人」へ移行することを促進するための支援策という意味合いが強いものになります。その内容について解説いたします。

 

 まず、この医療法人の持分に係る相続税・贈与税の納税猶予制度は、医療法人が厚生労働大臣の認定を受けるなどの要件を満たした「認定医療法人」に該当した場合に、「出資持分のある医療法人」が「出資持分のない医療法人」へ移行する途中に発生する相続税や贈与税を猶予するものです。

 

 「出資持分のある医療法人」から「出資持分のない医療法人」に移行する場合、出資者が全員その所有する持分を放棄する必要があります。しかし、出資者全員が出資持分を放棄するまでには相当の調整期間が必要になります。このため、移行期間(最長3年)中の相続税・贈与税を免除することとしたものが医療法人の持分に係る相続税・贈与税の納税猶予制度です。

 

 認定医療法人の移行期間内に認定医療法人の持分のすべてを放棄した場合などは、医療法人の持分について納税猶予の対象となった税額が免除されます。また、それに対して医療法人持分猶予税額を納付しなければならないケースもありますので注意してください。たとえば、認定医療法人の認定移行計画に記載された移行期限までの間に認定医療法人の持分に基づき出資額に応じた払い戻しを受けたり持分の譲渡をしたなどの場合や、認定医療法人の認定移行計画について厚生労働大臣の認定が取り消された場合がそれにあたります。

 

 なお、この医療法人版の納税猶予制度を適用するうえで前提となる認定医療法人の認定制度は施行日である平成26年10月1日から3年以内に限られています。この制度の適用を受けたい方は、平成26年10月1日から平成29年9月30日までに認定医療法人の認定を受けておく必要があります。

 

 出資持分のない医療法人でこの制度の適用を受けることをお考えの方は、ぜひガルベラ・パートナーズグループにご相談ください。