2017/03/31
Q 先日、自宅のトイレが故障しました。すぐに修理をお願いし解決したのですが、そろそろ自宅のリフォームが必要なのかと考えています。自分の年齢を考えたところ、リフォームするならトイレ・お風呂まわりなどはバリアフリーにしたいと思っています。
増改築のための銀行借入の場合も住宅ローン控除を受けることができると聞いたことがあるのですが、リフォームをする場合にも何か税制の優遇はあるのでしょうか?
A 税制上の優遇制度はございます!
バリアフリー改修工事をした場合、「住宅特定改修特別税額控除」という税額控除の制度があります。
バリアフリー改修工事をした場合に受けることができる「住宅特定改修特別税額控除」とは、1)個人が所有している居住用の家屋について、2)バリアフリー改修工事を行い、3)その家屋を平成21年4月1日から平成31年6月30日までの間にその個人の居住のために供したときに、
一定の要件の下で、決まった額をその年分の所得税額から控除できるという制度です。
この税額控除は、住宅ローン等の利用がなくても適用できます。
また、このバリアフリーの改修工事について、金融機関からの借入金等を有している場合には、「住宅借入金等特別控除」又は「特定増改築等住宅借入金等特別控除」の適用要件を満たしている場合には、これらの控除のどちらかの一つの選択適用となります。
【住宅特定改修特別税額控除の要件】
住宅特定改修特別税額控除の適用を受けるためには、次の全ての要件を満たす必要があります
(入居要件)
1) 個人が所有する家屋について、バリアフリー改修工事をして、平成21年4月1日から平成31年6月30日までの間に自分の居住の用に供していること。
2)バリアフリー改修工事の日から6か月以内に居住の用に供していること。
※居住用家屋を複数所有している場合には、主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
(所得要件)
この税額控除を受ける年分の合計所得金額が3千万円以下であること。
(居住者要件)
バリアフリー改修工事を行う者が、次のいずれかに該当する個人であること。
1)50歳以上の者
2)介護保険法に規定する要介護又は要支援の認定を受けている者
3)所得税法上の障害者である者
4)高齢者等(65歳以上の親族又は上記②若しくは③に該当する親族)と同居をしている者
※年齢の及び同居の判定は、居住年の12月31日(年の途中で死亡した場合には死亡の時)で判断します。
(工事内容)
次のいずれかに該当するバリアフリー改修工事であること。
1)介助用の車椅子で容易に移動するために通路又は出入口の幅を拡張する工事
2)階段の設置(既存の階段の撤去を伴うものに限る。)又は改良によりその勾配を緩和する工事
3)浴室を改良する工事で次のいずれかに該当するもの
・入浴又はその介助を容易に行うための浴室の床面積増加工事
・浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事
・身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置する工事等
4)便所を改良する工事で次のいずれかに該当するもの
・排泄又はその介助を容易に行うための便所の床面積増加工事
・便器を座便式のものに取り替える工事
・座便式の便器の座高を高くする工事
5)便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事
6)便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の段差を解消する工事等
7)出入口の戸を改良する工事で次のいずれかに該当するもの
・開戸を引戸、折戸等に取り替える工事
・開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事
・戸に戸車その他の戸の開閉を容易にする器具を設置する工事
8)便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の材料を滑りにくいものに取り替える工事
(費用要件)
1)補助金や給付額を差し引いて、バリアフリー改修工事に係る標準的な費用の額が50万円を超えるものであること。
2)工事をした後の住宅の床面積が50㎡以上で、床面積の2分の1以上の部分がその者の居住の用に供するものであること。
※床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。
3)その工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること。
この住宅特定改修特別税額控除は、「非居住者」も平成28年4月1日以降にバリアフリー改修工事を行った場合に受けることができます。
【控除を受けるための必要書類】
・住宅特定改修特別控除額の計算明細書
・住民票の写し
・増改築工事証明書
・家屋の登記簿謄本など
・工事請負契約書の写し
・給与所得の源泉徴収票(給与所得のみの場合)
・介護保険の被保険者証の写し など
【税額控除額】
1)平成26年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供した場合
税額控除額は、バリアフリー改修工事の標準的な費用の額(最高200万円)の10%となります。
※補助金や給付金等の交付を受ける場合には、その額を控除します。
2)平成21年4月1日から平成26年3月31日までの間に居住の用に供した場合
税額控除額は、次のいずれか少ない金額(最高200万円(平成24年分は最高150万円))の10%となります。
イ バリアフリー改修工事に要した費用の額(※)
ロ バリアフリー改修工事の標準的な費用の額
※平成23年6月30日以後に改修工事に係る契約をして、そのバリアフリー改修工事の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の額を控除します。
住宅特定改修特別税額控除の適用を受けることができるか否かの判定や、控除額の計算につきましては、お気軽にご相談ください。
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