2015/11/30
Q 自己株式を取得した際の税務処理について教えて下さい。
A 自己株式の取得は、会社財産の株主への払戻しという性格があります。会計上は、取得した自己株式は、取得原価をもって純資産の部の株主資本から控除します。また、期末に保有する自己株式は、純資産の部の株主資本の末尾に自己株式として一括して控除する形式で表示します。
次に税務上の取扱いについてです。会計上では、自己株式を取得した際、「自己株式」という科目を用いることによって、払込資本を株主に払い戻したのか、内部留保を株主に還元したのか分からない処理となっています。それに対して、税務では、自己株式を取得した際に、そこを明確に区分して処理するところに特色があります。
自己株式の取得対価として会社財産の交付を受けた株主の課税関係は、会社が自己株式を取得した時点で完結します。ですので、自己株式を消却しても課税関係は生じず、税務では処理不要となります。
税務におきましては、自己株式を取得した時点で次のように税務処理します。
(借)資本金等の額 ××× (貸)現金預金 ×××
利益積立金額 ×××
資本金等の額の減少額は、次の算式で計算した金額となります。
自己株式の取得直前の資本金等の額 × 取得した株式の数 / 取得直前の発行済株式数
利益積立金額の減少額は、自己株式の取得対価から資本金等の額の減少額として処理する額を控除した額となります。発行会社において利益積立金額の減少額として処理した部分は、株式を譲渡した者においては、みなし配当として処理することになります。
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