2014/07/21
Q このたび、会社で海外への社員旅行を計画しておりますが、その際、従業員分の費用も全て会社で負担しようと考えております。
また費用についても初めての海外社員旅行であるため豪勢にしようと考えていますが、税務上問題はありますか?
A 海外への社員旅行の費用を会社が全て負担した場合、会社の方は税務上損金算入(福利厚生費等)することが可能です。また従業員の側においても海外旅行の費用を負担してもらった金額は所得税法基本通達の内容により、非課税扱いとなりますが、場合によっては、従業員に対する経済的利益の供与と認定され従業員が(給与所得として)課税される可能性があるので注意が必要です。
所得税法基本通達では、経済的利益の供与のうち「使用者が負担するレクリエーション費用」は給与として課税しないこととされています。
これらレクリエーション費用は所得税法上は非課税である旨の規定がありませんが雇用関係において一般的に行われていることでありかつ少額なものであろうと考えられる為、所得税法基本通達において許容している費用となっています。
ここで注意しなければならないのが高額の海外旅行費用がはたして所得税法基本通達における通常のレクリエーション費用として認定されるかどうかです。
最近の裁判事例においては従業員の海外社員旅行における一般的な会社負担額(一人当たり56,889円)を大幅に上回る費用負担は、所得税法上の「給与等」に該当するという旨の判断が下されており、ある程度高額な旅行費用の負担は給与と認定されてしまう可能性があるということです。
海外旅行費用の従業員分負担については、渡航先、旅行内容、金額を勘案してあまりにも高額になりすぎないよう、また高額になりそうな場合は従業員から一部費用負担してもらうなど検討の必要がありそうです。