2014/12/25
Q 当社は医薬品を製造販売する会社ですが、新薬の開発にはいつも多額の費用がかかっています。この費用に対する税額控除はないのでしょうか?
A 結論から申し上げますと、税額控除の優遇措置はありますが、かなり複雑な内容となっており、適用を検討する場合には、専門家と綿密に打合せをしたほうがよさそうです。ここでは概要のみをお伝えいたします。
研究開発税制は、「試験研究費の総額に係る税額控除制度」、「特別試験研究に係る税額控除制度」、「中小企業技術基盤強化税制」及び「試験研究費の額が増加した場合等の税額控除制度」の4つの制度によって構成されています。
これらは重複適用「できる・できない」ものがありますので慎重に検討しなければなりません。
税額控除について簡単に言えば、税法上の定義に当てはまる研究開発費用があった場合、その支出額の10~12%を税額控除できるという制度です(法人税額20%を限度、但し平成27年3月31日までに開始する事業年度までは30%)。
さらに、研究開発費用が前期以前より増加した場合には、上記の10~12%の税額控除に上乗せで税額控除することも可能なケースがあります。
最後に、研究開発費の内容について述べておきます。税法上では研究開発費を試験研究費という用語に置き換えて定義しています。
試験研究費とは、製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する原材料費、人件費及び経費のほか、他の者に試験研究を委託するために支払う費用などの額をいいます。
また、特別試験研究費とは試験研究費の額のうち、国の試験研究機関又は大学と共同して行う試験研究、国の試験研究機関又は大学に委託する試験研究、その用途に係る対象者が少数である医薬品に関する試験研究などに係る試験研究費の額をいいます。
会計上の研究開発費と税法上の試験研究費は類似点もありますが、相違点もありますのでくれぐれもご注意ください。
研究開発税制は非常に複雑です。適用を検討される場合は、弊社までお問い合わせください。