2015/10/29
Q 国外に居住している親族を扶養家族として申請する場合、何か証明書などの用意は必要でしょうか?
A これまでは必要ありませんでしたが、平成27年度の税制改正により、平成28年1月以降は給与等又は公的年金等の源泉徴収及び給与等の年末調整において、日本国外に居住する親族(以下、「国外居住親族」といいます)に係る扶養控除の適用については、証明書類の備付けが義務化されました。
そのため、年末調整の際には「親族関係書類」、「送金関係書類」など、納税者の親族であることが証明できる資料を提出する必要があります。
「親族関係書類」とは、国外居住親族が居住者の親族であることを証明する資料で、具体的には下記のものが該当します。
(1)戸籍の附票の写しその他国又は地方公共団体が発行した書類で、その国外居住親族がその居住者の親族であることを証するもの及びその親族の旅券(パスポート)の写し
(2)外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類で、その国外居住親族がその居住者の親族であることを証するもの(その親族の氏名、住所及び生年月日の記載があるものに限ります)
「送金関係書類」とは、居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための送金処理などを明らかにする資料で、具体的には下記のものが該当します。
(1)金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払いをしたことを明らかにする書類
(2)クレジットカード発行会社の書類又はその写し。要するに、国外居住親族がクレジットカード会社発行のカードを提示して、その国外居住親族が商品等を購入したことで、商品等の購入代金に相当する額をその居住者から受領したことを明らかにする書類
ここでいうクレジットカード発行会社の書類とは、居住者(本人)がクレジットカード発行会社と契約を締結し、国外居住親族が使用するために発行されたクレジットカードで、その利用代金を居住者が支払うこととしているもの(いわゆる家族カード)に係る利用明細書のことを言います。
注意点として、例えば、配偶者に対して子供の生活費等を払った場合のクレジットカード利用明細書は、子供の送金関係書類には該当しません。こういった場合には、子供名義の銀行口座等を作成するなど工夫が必要になります。
今回ご説明しました証明書類の備付処理については、年末調整は行わず確定申告のみを行う方についても同様の処理を行わなければなりません。
今後の年末調整・確定申告においては、マイナンバーの記入に加えて上記の様な国外居住親族の証明手続きも必要となり、事務負担が増加するためご注意ください。
◆ ガルベラのメールマガジンに登録しませんか◆
当社では毎月1回、ご登録をいただいた皆様へメールマガジンを配信しております。
税務・労務・経営に関する法改正や役立つワンポイントアドバイスをご案内しておりますので、ぜひ貴社の経営にご活用ください!
10秒で登録が完了するメールマガジン 登録フォームはこちら!!