2016/11/14
Q 当社では、創業50周年記念に際して、一般よりも高額な社員旅行を実施した場合に、何か課税上の取扱いで注意事項がありましたら教えて下さい。
A 会社が、社員の慰安旅行の費用を負担した場合の経済的利益については、その旅行が社会通念上一般に行われていると認められる程度の旅行である場合は非課税とされています。
この「社会通念上一般に行われていると認められる程度の旅行」の範囲については、取扱いの統一性を図る見地から、次に掲げる要件を満たすものをいうこととされています。
(1)旅行に要する期間が4泊5日(海外旅行の場合には、目的地における滞在日数が4泊5日)以内であること。
(2)旅行の参加する社の数が全体(支店、工場等の単位で実施する旅行については、その支店、工場等の全体)の50%以上であること。
なお、この非課税の慰安旅行の要件は、あくまで「原則」であり、実際の運用としては、その旅行の企画、立案、主催者、目的、規範、行程、参加割合、会社と参加者の費用負担の割合等を総合的に判断することとし、実態に即した処理をすることになっています。
今回ご質問の慰安旅行についても同様に適用され、創業記念として実施する慰安旅行について特別な規定はありません。したがって、その費用の額が社会通念上一般に行われていると認められる程度の旅行とは認められない高額なものである場合には、他の非課税要件を満たしているときでも給与課税の対象となります。
旅行ではなく、高額な創業記念品を支給した場合も考えてみたいと思います。
会社が社員に支給する創業記念品(金銭により支給するものを除きます。)については、次のことを要件として課税しなくて差し支えないものとされています。
(1)その記念品が社会通念上記念品としてふさわしいものであり、かつ、その記念品の処分見込価額が1万円以下であること。
(2)創業記念品の支給は、相当の期間(おおむね5年以上の期間)の間隔をおいて支給するものであること。
この場合、記念品の処分見込価額は、その記念品の現金正価の60%相当額として評価することができることになっています。
以上のとおり、処分見込価額が1万円を超える記念品については、給与課税の対象となることになります。
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