2015/11/16
Q 相続財産として承継した賃貸アパートには、入居者専用の契約駐車場があります。このような状況にある賃貸アパート及びこれに附帯する駐車場用地の評価区分はどのようになりますか。
A まず最初に、基本的な土地の評価についてご説明します。
宅地の評価には、路線価方式と倍率方式があります。自分で使用する土地(以下「自用地」という。)については、この評価方式で評価した金額が相続税評価額となります。
では、自分では使用せず誰かに土地を貸している場合(以下「貸宅地」という。)にはどのような評価になるでしょうか。この場合には、上記の自用地としての価額に(1-借地権割合)を乗じた価額が評価額となります。
次に、貸家の敷地の用に供されている宅地(以下「貸家建付地」という。)の評価をみていきます。この場合には、自用地としての価額に(1-借地権割合×借家権割合)を乗じた価額が評価額となります。
このように、宅地の貸借がおこなわれている場合には自用地の評価より評価額は少なくなります。
上記の宅地の評価をふまえてご質問の駐車場の評価を考えてみたいと思います。駐車場の用に供されている土地の取扱いには2種類あります。まず、駐車場が単独で貸付られている場合です。
単独で駐車場の用に供されている土地の地目(財産評価基本通達上における評価地目)は、雑種地に該当するものとされています。また、このような状況にある土地の評価態様は、月極駐車場のような貸駐車場として供用されることによって、駐車場利用者に一定の使用権が生じ、これが土地所有者に対する一定の利用上の制約になると認められたとしても、土地の上に存する権利としての減額は認められません。したがって、当該土地の評価態様は、自用地として評価することになります。
次に、賃貸アパートに附帯する駐車場である場合です。評価対象地である貸駐車場が賃貸アパートに隣接していること及び当該貸駐車場の利用者が賃貸アパートの入居者に限定されていること等、一定の要件を充足しているものについて、当該駐車場の貸付けは、事実上、当該賃貸アパートに係る賃貸借と一体のものであると考えられます。このことから、当該賃貸アパート及び貸駐車場の全体で1画地の宅地として当該敷地を貸家建付地として評価することが、課税実務上の取扱いとして認められるものと考えられます。
ただし、この課税実務上の取扱いを適用するためにはいくつか気を付けなければならない点がありますので、相続財産である土地の評価について詳しくお知りになりたい方は、ぜひガルベラ・パートナーズにご相談下さい。
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