GERBERA PARTNERSブログ

事業承継|自社株式を親族外へ承継する際のポイントを大公開します!

2014/09/15

Q 事業承継の際に親族内に後継者がいない場合、親族外にバトンタッチしようかと考えておりますがその際のポイントは何でしょうか?

 

A 親族外への事業承継は、20年前と比較して6倍、全体の事業承継の約4割を占めるまでになりました。弊社に寄せられる事業承継の相談でも、以前より、親族外承継に関する問合せが格段に増えております。

 そこで今回は、親族外承継の問題点と対応策についてまとめてみました。

 

 先ず親族外承継の際の主な問題点は下記のとおりです。

・自社株の引継ぎの際、相続人との間でトラブルになるケース

・自社株の引継ぎの際の価額の問題

・自社株の引継ぎの際の買取り資金の調達先の問題

・自社株の所有と経営の分離がおこりやすい

・借入金の個人保証の引継ぎが困難になるケース

 

 株の買取り資金の問題として、後継者に買取り資金がない場合には、会社が負担する手法としてMBO(マネジメントバイアウト)があります。こちらは会社のお金を親族外の後継者が抜き取ることになるため、経営者や親族の了承が必要になります。そのため、純粋に株式を買取る場合には、後継者にお金がない場合が多いため、日本政策金融公庫が実施する「企業再建・事業承継支援資金」最大7,200万円までの融資が活用できます。こちらは、買取り資金の計算根拠と自社株の引継ぎに関する説明書の提示など弊社と一体となって手続きが可能です。

 

 また、経営承継円滑化法(贈与税・相続税の納税猶予制度)は、平成27年1月以降親族外への承継についても利用が可能になります。この制度を利用すれば、現経営者から親族外への後継者への株式の引継ぎを贈与で行った場合に、親族外の後継者が払う贈与税がいったん猶予され、現経営者の相続の際には、その贈与税が免除されます。

 

 しかし、この納税猶予制度は、現経営者の相続税の計算の際に、すでに親族外の後継者に贈与されている株式についても合算された上で相続税が計算されますので、相続人からすると相続税が高くなるという問題があります。そのため、平成27年以降のこの制度の利用については、事前に相続人の理解を得るなど注意が必要です。

 

 最後に、経営と自社株の分離が起こりうる場合には、会社法の活用も考えられます。たとえば、議決権のある普通株式を親族外の後継者に集中させ経営権を集中させつつ、議決権のない配当優先株式を親族に相続させてバランスを取ることも方法の一つです。

 

いずれにしても事業承継は会社によってケースバイケースになっており、それぞれの思いを反映することがなにより大切です。また、事業承継は、税法、会社法、民法など多岐にわたる知識が必要です。そのため、当事務所では今までの経験と実績を基に最適なプランをご提案しておりますので、ぜひご相談ください。