2015/09/24
Q 毎年5月に固定資産税の納税通知書が市役所から送付されてきます。中身を見ると納付税額以外に所有不動産の地番やその不動産の評価額等が記載されています。固定資産税や不動産取得税は、まず固定資産税評価額を算出し、特例適用等により評価額を減額することで課税標準額をはじき出し、それに税率をかけて税額が計算されると聞きますが、そもそも固定資産税評価額はどの様に決められているのでしょうか?
A 非常にややこしいのでなるべく完結に説明いたします。
固定資産税評価額は、総務省が固定資産評価審議会の答申に基づいて告示する「固定資産評価基準」によって算出されます。評価額は告示地価の70%を目安に計算されます。
評価額については、まずは固定資産所在の市町村又は東京都に設置される固定資産評価員が評価を行い、その結果に基づき、特例適用後の価格決定(課税標準額)を市町村長又は東京都知事が行います。
固定資産評価員は市町村の職員か,外注先の業者が担当します。実際現場へ赴いて調査をするケースもあれば、航空写真も利用したりして効率的に調査を行っています。
固定資産税評価額の計算については下記の様になります。(ここでは家屋の算出方法について簡単に説明します)
固定資産税評価額は、【評価額=再建築費評点数×1点単価×経年減点補正率】で計算されます。
○再建築費評点数について
簡単に言えば、家屋の点数付けのことです。
再建築費評点数とは【1㎡あたりの単価×延べ床面積】で計算されます。この再建築費評点数は「固定資産評価基準」に基づいています。
「固定資産評価基準」には、家の主体構造部分、屋根・外部・内部の仕上げ等の各部分別に、建築資材の価格と建築するためにかかる人件費をもとに定められた点数が掲載されています。
家屋全体の1㎡あたりの単価は、それぞれの1㎡あたりの点数を合計することで算出が可能です。これに延べ床面積を乗ずれば、再建築費評点数が算出されます。
○1点単価について
1点単価とは、固定資産を物価水準に合わせるための1円あたりの調整補整率です。木造は0.94、非木造は1.1になります。
○経年減点補正率について
経年減点補正率は、年数が経過したことによる損耗を考慮する率のことを言います。住宅の場合、1年経過が0.8(2割損耗)で、最低の数値が0.2(8割の損耗)です。言い換えますと、物件の経過年数によって、2割減耗~8割減耗が適用されるということです。
固定資産税の評価は非常に専門的です。疑問に思われた際は、まずご自身の評価明細書をよく検証したうえで、お住まいの市役所へ相談されることをお勧めいたします。
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