2015/10/01
Q 半年前に親が他界し、ようやく諸々の手続きが終わったところなのですが、今は実家が空家になっています。空家ですと税金が6倍になると聞いたのですが、実家へ住まいを移すことができません。6倍になるというのは本当なのでしょうか?
A 税金が6倍になるというのは固定資産税の話のようですね。
固定資産税は、不動産を所有している方に課税される税金です。従いまして、実家を相続された方に今後、固定資産税や地域によっては都市計画税がかかります。
これらの税金は、総務大臣が定めて告示される「固定資産評価基準」に基づいて税額が計算されます。1月1日時点の所有者(登記の有無は関係ありません)へ計算結果の納税通知(評価額明細)が届きます。
この固定資産税・都市計画税には「住宅用地の特例」という税金の安くなる制度が設けられていますが、注意点として「住宅用地の特例」が適用されるには「住宅が建っていること」が重要な要件となっています。よって、住宅(空家)を解体してしまうとこの制度が適用されなくなり、結果として税金が高くなってしまいます。
「住宅用地の特例」は、住宅用地に対する固定資産税が最大1/6(200㎡を超える部分は1/3)、都市計画税が最大1/3まで減額されるというものです。平成26年度までは全ての住宅に適用されていましたが、平成27年度からは、特定の空家等について適用が無くなることになりました。
【固定試算税の計算方法】
空地(更地)・・固定資産税が課税標準の1.4%、都市計画税が課税標準の0.3%
小規模住宅用地・・200㎡まで課税標準×1/6 、200㎡を超えた部分課税標準×1/3
たとえば、
400㎡の土地の上に住宅用の家が1戸建っている場合
課税標準額(土地) 3,000万円
課税標準額(建物) 800万円
(空地の場合)
土地3,000万円×1.4% = 42万円
(住宅用地の場合)
土地 3,000万円/400㎡×200㎡×1/6×1.4% +
3,000万円/400㎡×200㎡×1/3×1.4% = 10万5,000円
建物 800万円×1.4% = 11万2,000円
合計約21万7,000円となり、
空地の場合にくらべて20万3,000円もお安くなります。
今までは、この制度のおかげで空家が増えてしまい、崩壊しそうな古い建物まで放置されている状況となっていました。
そこで、このように崩壊しそうな建物等の場合、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づいて、特定の空家と認められた家屋が建っている土地については固定資産税の特例措置の対象から除外することになりました。
特定の空家に認定されないためには、古い建物をリフォームして賃貸するか、自分が居住するか、もしくは売却するかしかありません。ただ、一方的に認定されるのはなく、事前に改善通知が届きますので、通知が届いたらすぐに対応することが大切です。
今回のご相談の場合、長年お住まいになっていた家屋かと思いますが、今後も手入れをしておけば、空家だからといってすぐに特定の空家として認定されることはないでしょう。
建物は人が利用しなくなると、あっという間に朽ちていきます。ご自身が居住されることができないのであれば、賃貸として利用することも検討された方がいいのかもしれません。
本件は、相続税申告の側面からもどうするべきかを考える必要がありますので、無駄な税金を支払うことの無いよう、是非ご相談ください。
◆ ガルベラのメールマガジンに登録しませんか◆
当社では毎月1回、ご登録をいただいた皆様へメールマガジンを配信しております。
税務・労務・経営に関する法改正や役立つワンポイントアドバイスをご案内しておりますので、ぜひ貴社の経営にご活用ください!
10秒で登録が完了するメールマガジン 登録フォームはこちら!!