2016/10/27
Q 公益法人制度の内容について詳しく教えてください。
A 平成20年12月より新公益法人制度が施工され、平成25年からは全ての 公益法人が「一般社団法人又は一般財団法人」、「公益社団法人又は公益財団法人」へと移行しています。
この制度は、公益性の高い法人と低い法人を区分して公益法人の透明性を高めるとともに、公益性の高い法人に対しては税制上の優遇措置も認めるものです。
一般企業に勤められている方々には、馴染みが殆どないため関係がないと思われがちです。
しかし、一般企業や公益性の低い法人であっても公益性の高い法人と関係のある場合があり、さらに節税対策として活用できるケースもあるため、その制度をご紹介します。
1、公益法人に寄付を行った場合
公益社団法人や公益財団法人へ個人又は法人から寄付金を支出した 場合、その寄付行為が事業に関連性のないものであっても公益性の高い 支出として税制上の優遇措置を受けることができます。
2、相続税対策としての活用
一般社団法人及び一般財団法人には「出資者がいない」ため配当金の 拠出がないこと、また保有する資産等については「財産性がない」ことから相続税課税の対象となる資産から除外されるため、節税対策として有効な手段です。
ただし、この活用方法については下記の通り税金が課税されるケースも想定されます。
(1)個人所有の不動産等を一般社団法人に寄付(贈与)した場合、時価譲渡があったものとして、寄付を受けた社団法人は受贈益に対して法人税が課税される。
(2)贈与により、その者の相続税等が不当に減少すると認められる場合には、一般社団法人が個人とみなされて贈与税が課税される。
これらの事由に該当せず、不当に利益や税金を減少させるものではないと認められるためには、下記の要件を満たす「非営利型法人」に該当することが最低限必要となります。
・運営組織が適正であること
所属している理事について、3親等内の理事の占める割合が全体の 1/3以下であること
・寄付行為が、寄付をした者の所得税負担を不当に減少させ、又はその親族等の相続税負担を不当に減少させるものでないと認められること
・公益法人等への寄付が、教育・科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与していること
・寄付を受けた不動産等が、寄付行為のあった日から2年を経過する日までの間に寄付を受けた法人の公益事業の用に供され又は供される見
込みであること
また、公益法人が保有している財産を個人に戻す場合にもリスクが想定されるため、節税対策として活用できるケースは限定的なものになります。
上記1の公益法人に対する寄付金の支出は節税対策として積極的に活用していただきたい反面、2の公益法人等を活用した相続税対策については、慎重な判断とリスク共有が大切な要素となります。一般社団法人を使った節税は非常に奥が深いため、素人判断で実行しない様にしてください。
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