2014/10/13
Q 将来的には法人税率の引き下げなど法人の税金を少なくしていく方向のようですが、それまでは高い税金を納めなければならないのは社長としてはやはり耐え難いものがあります。どうにかして節税できないものでしょうか?
A 節税をするということは、それだけ会社に資金を残すということにつながります。1回限りの節税策や単に課税を将来に繰り延べるだけだったとしてもその時に効果的に税金を少なくすることで早めにキャッシュを回収する効果が生まれます。
よく使用されるオーソドックスな節税からルール変更を利用した大胆な節税策まで以下に代表例をご紹介いたします。
(1)損金を増やす節税策
損金を増やす節税策には、1. 資金の支出を伴う節税と2. 資金の支出を伴わない節税策の2つがあります。
1. 資金の支出を伴う節税策は、a.30万円未満の減価償却資産の購入の前倒し(中小企業者等に限る)、b.生命保険等の簿外資産の構築、c.事務所家賃を1年分前倒しで支払うことによる短期前払費用の利用、d.従業員に対する決算賞与の支払いなどがあります。
資金の支出を伴う節税は比較的わかりやすくオーソドックスな方法が多いのが特徴ですが、こういった節税策のやりすぎは逆に会社の資金繰りを悪化させるなどデメリットが出てくるほか、そもそもキャッシュに余裕のない会社はこの手の節税策を選択できないといった弊害があるのが特徴です。
支出を伴う節税策は、生命保険に代表されるように課税の繰延べになるものが多いですが、法人税の実効税率引き下げ局面では長期的に節税の効果を発揮しますので、うまく使用すると効果絶大となります。
2. 資金の支出を伴わない節税策は、a.含み損のある資産の売却による損失の実現、b.不要な固定資産の除却による除却損の計上、c.回収不能債権の貸倒処理の検討、d.たな卸し資産評価で低価法を採用することによる評価損の計上、e.未払費用の計上の検討、f.(法定繰入率による)貸倒引当金の計上などがあります。
支出を伴わない節税策は、税務上損金として認められる要件を満たしていないと損金にできない場合があるなど、処理の仕方にテクニックや知識の必要なものが多いのが特徴です。どの会社でも利用できるという点でメリットがありますが、タイミングよく損金として計上できる資産等が無い場合があるなど計上時期が難しいのが特徴です。
支出を伴わない節税策は知識を要するものが多いので顧問税理士とよく相談する必要がありますが、要件さえ揃っていれば決算時にすぐ実行することができるなど利点も多いです。
(2)ルール変更等制度を利用した節税策
制度を利用した節税策は、1. 決算期の変更、2. 生産性向上設備投資促進税制、所得拡大促進税制などの税額控除(特別償却)の適用、3. 法人税の繰戻還付の利用などがあります。
1. 決算期の変更は、例えば税率引き下げのタイミングで決算期を変更することにより高い税率の時期の利益を少なくし、トータルの税金を減らすなどやり方によりかなりダイナミックに節税が可能な方法です。
また、多額の利益が計上される月の前月に決算期を変更するなど利益の変動に合わせて決算期を変えることでその期の税金を減らせるなど、簡単な上に効果が大きい対策になりますので、無頓着に決算期を決めることほどもったいない行為と言えるでしょう。
2. 3. も顧問税理士とよく相談する必要がありますが、税額控除などは控除金額そのものが税金を減らしますのでこちらも是非活用してもらいたい節税策になります。
節税策は、こちらに紹介した方法以外にも効果の高い対策があります。税金対策は是非ガルベラ・パートナーズグループにご相談ください。