「倒産防止共済」と「小規模企業共済」への加入可否について | ガルベラ・パートナーズグループ

Ｑ、個人事業主で開業１年目です。開業当初から思った以上に業績が好調ですので、何か節税の対策はありますか？

     

Ａ、「倒産防止共済」と「小規模企業共済」が最もポピュラーな方法ですが、開業1年目だと加入できないものもあります。

 

解説（公開日：2025/07/23）

 

個人事業主としてこれから事業をスタートした方にとって、万が一の備えや将来の資金作りはとても気になるテーマです。「倒産防止共済」と「小規模企業共済」という2つの共済制度について、特に開業1年未満の場合の加入可否やポイントを詳しく解説します。

 

倒産防止共済の加入条件

事業運営のリスクヘッジとして注目される「倒産防止共済（経営セーフティ共済）」ですが、実はこの制度には加入条件があります。それは「継続して1年以上事業を営んでいること」です。この条件を満たしていないと申込みできません。つまり、開業したばかりの方や、まだ1年を経過していない場合は加入資格が得られないため、しばらく様子を見る必要があります。

倒産防止共済は、取引先が万が一倒産した際に、売掛金などの未回収リスクから事業を守るための心強い制度です。一度加入できるタイミングになったら、検討する価値のある仕組みといえます。

 

小規模企業共済の加入条件

一方、「小規模企業共済」は、小規模事業者や個人事業主のための“退職金づくり”に特化した制度です。こちらは開業届を提出していれば、開業初年度であっても加入が可能です。まだ確定申告書を持っていなくても、申し込むことができます。

 

将来的な廃業や引退に備えて、早めに積み立てをスタートできるのが大きなメリットです。将来設計に不安を感じている方は、開業当初から小規模企業共済を活用することで、経営者自身や家族の安心材料になります。

 

この2つの共済は、目的や活用方法、加入時期が大きく異なります。倒産防止共済は“事業運営中のリスク対策”、小規模企業共済は“廃業や引退時の生活資金準備”と位置付けられます。どちらも公的な支援策として、資金面での不安を解消する大きな味方になり得ます。

 

開業から1年未満の方は、まず小規模企業共済で将来への備えを始め、1年経過したら倒産防止共済の検討を視野に入れてみてください。

 

制度ごとに手続きや必要書類が異なるので、不明点は各共済の窓口や専門家に確認すると安心です。しっかり備えて、安定した事業運営と将来への安心を手に入れましょう。