2020/04/10
A、海外赴任をする際の労災の特別加入は強制加入ではなく任意加入となります。 海外赴任の際に労災の特別加入をすると、国内とほぼ同様の補償を労災保険より受けることができます。民間の海外旅行保険もありますが、労災のように生活補償が対象外のケースもあり、様々な状況を考慮し加入を検討する必要があります。
労災保険は原則として日本国内で働く労働者が対象で、海外勤務者は日本の労災保険の対象外となります。
よって、海外赴任者は原則派遣先の各国の災害補償制度の対象となります。
しかし、その海外赴任先の国の制度の給付内容が十分でない場合もあることから、そんな海外赴任者のために日本の労災保険には「特別加入」という海外赴任者が任意で加入できる制度というものが設けられています。
以下、特別加入について詳しく解説します。
「日本国内の事業主から、海外で行われる事業に労働者として派遣させる人」もしくは「日本国内の事業主から、海外にある中小規模の事業に事業主等として派遣する人」とされており、日系企業で働く海外赴任者は概ね対象となります。
また、一定規模の海外現地法人の社長として赴任する人なども労災の特別加入の対象となります。
初めて労災の特別加入を申請する場合は特別加入申請書を所轄の労働基準監督署に提出します。
その申請書には特別加入を希望する人の具体的な業務内容や地位、役職名、および希望する給付基礎日額を記入します。
上記の労災特別加入申請書には希望する給付基礎日額(簡単にいうと、対象者の日給換算額のこと)を記載する必要があり、その給付基礎日額をもとに保険料を算出して労働基準監督署に申告・納付します。
※海外赴任者の特別加入者の給付基礎日額は3,500円から最大25,000円の16階級があり、その中からその海外赴任者の実際の給付基礎日額に一番近いものを選ぶことになります。
特別加入者は国内勤務者と同様の補償を受けることができます。
療養(補償)給付、休業(補償)給付、傷病(補償)給付、障害(補償)給付、遺族(補償)給付、葬祭料(葬祭給付)が対象となります。
通勤災害の保険給付も受けることできます。
但し、労災の補償が受けられる範囲は上記特別加入申請書に記入した業務内容の範囲に限られますので、その事故が業務上で起きたものか否かを判断する上で重要な事項となりますので正確にもれなく記載する必要があります。
※但し、特別加入者には二次健康診断等給付と特別給付を基礎とする特別支給金は支給されません。
日本国内で労災事故にあった場合と同様の手続きを国内にて行います。
所定の保険給付請求書を所轄の労働基準監督署に提出します。
海外で労災事故が起きた場合、日本国内と同様のルールで労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署に提出する必要があります。
民間の海外赴任の保険は、海外旅行保険と同様に出発から帰国までを保険期間として海外赴任者向けに必要な補償を行うものが多いようです。
民間のものですので、各社によって補償内容に違いはありますが、一般的に労災のような生活補償は対象外となっているようです。
労災の特別加入は、国内の会社が労災保険の保険関係を成立させていれば、その所轄 労働基準監督署に特別加入申請書を提出することで加入できるものです。
海外での万が一事故に巻き込まれた場合でも、国内の会社にて手続きをすることで国から様々な補償を受けることができますし、休業(補償)給付や傷病(補償)年金、障害(補償)給付、遺族(補償)給付のように働けない期間等に生活の補償としての給付を受けることもできます。
弊社では海外赴任者の特別加入申請書から実際に海外赴任先で事故に巻き込まれた場合の各種申請のサポートをさせていただいております。
是非お気軽にお問い合わせください。
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