2016/04/05
Q 新たな地域で支店を出すことになり、社員を転勤させることになりました。当社では住居の移転のある転勤ははじめてで全くルールがありません。どのような手当を支給するのが一般的でしょうか?また、注意点があれば教えてください。
A 初めての転勤者を出すときには、同じような悩みを持たれる企業は多いようです。会社の手当や補助を、どの範囲で、どの程度するかは企業が自由に決めることができますが、何に対する手当を支給するのが適当なのか目安は欲しいところです。では代表的なもの上げて見ていきましょう。
□転勤をする時の費用に対する手当
(1)転勤支度金
転居時に必要となる物品の購入や、転居準備費用に当てられます転勤をするための給付です。予め決められた定額にするのが一般的です。
(2)荷造運送費
転居するときの引越し費用です。実費を支給する場合が多いですが、金額に上限を設けることが一般的です。
(3)転勤交通費
転勤をするための移動交通費です。こちらも実費を支給することが一般的です。
□転勤をしてからの手当
(4)単身赴任手当
家族と離れて単身赴任をする場合の手当です。毎月の給与として定額を支給するのが一般的ですが、役職別に金額を設定する場合と、一律にする場合があります。
(5)帰省旅費
単身赴任の転勤者が一時的に自宅に帰る際の交通費です。頻度を決めて実費を支給するのが一般的です。
この他、家族をともなって転勤した際の、子どもの転校にかかる費用の補助、家族の移動交通費、転勤後の留守となった自宅の管理費の補助を支給する企業もあります。
さて気になるこれらを支給する時の注意点ですが、今回は社会保険料がかかるものかどうかの観点から見ていきます。
【判定のポイント】
○職務上のもので、実際にかかった費用補てんでないこと
○固定的に連続して支給され、通常の生計にあてられるもの
転勤は職務上企業が必要なため従業員に命じるものですから、その移転に必要な(1)転勤支度金、(2)荷造運送費、(3)転勤交通費は社会保険料の対象にはなりません。ただし、転勤支度金や荷造運送費を定額で支給している場合、通常認められる範囲を超えていれば、超えた部分には社会保険料がかかります。この範囲の判定ですが所得税の通達が参考になるでしょう。
(4)の単身赴任手当は社会保険料のかかる給与です。補足ですが、単身赴任手当は、いわゆる別居手当となるため残業代を計算する場合の計算の基礎には入りません。最後に(5)の帰省旅費は実費に対する補てんですが、帰省のみの理由の移動なので給与となり社会保険がかかります。家族をともなって転勤する際の家族の移動交通費を支給する場合も、同じく社会保険料の対象となります。
一方で、出張にからめて帰省をする場合は、自宅滞在だけの日数が長くない場合に限り対象にはなりません。
社会保険料のかかる、かからない、の判定は、所得税の課税、非課税と併せて審議されることが多いため、税金に関する情報も併せて注意していただきたいところです。
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