2017/04/19
Q 会社で出向者の受け入れをしています。間もなく年度更新ですが、出向者分の賃金は、当社の労働保険料の申告に含めますか?
A 出向者分の労働保険料は、労災保険料分は出向先で、雇用保険料分はその出向者への賃金の支払いをしている事業所で申告してください。
【労災保険について】
出向者の労災保険については、昭和35年11月2日に出された通達(基発932号)に取扱いが定められています。
通達において示されている保険関係に関する内容はおおまかに以下のとおりです。
(1) 出向労働者に係る保険関係が、出向元事業と出向先事業とのいずれかにあるかは、当該労働者の労働関係の所在を判断して決定すること。
(2) 出向労働者が、出向先事業主の指揮監督を受けて労働に従事している場合には、当該出向労働者を出向先事業に係る保険関係によるものとして取り扱うこと。
ここから、労災保険については、実際に指揮命令を受けて労働に従事している出向先で適用することが分かります。
これは、出向元が出向者に賃金を支払っている場合であっても変わりません。
【雇用保険について】
出向者の雇用保険については、「雇用保険に関する業務取扱要領」の「20352(2)労働者の特性・状況を考慮して判断する場合」に取扱いが定められています。
業務取扱要領において示されている保険関係に関する内容はおおまかに以下のとおりです。
(1) 同時に2以上の雇用関係にある労働者については、そのうちの1つについてのみ被保険者となる。
(2) 在籍出向により同時に2 以上の雇用関係を有することとなった者については、主たる雇用関係(生計維持に必要な主たる賃金を受ける雇用関係)についてのみ、その被保険者資格を認める。
[ご参考] 「雇用保険に関する業務取扱要領(平成29年4月1日以降)」
(厚生労働省ホームページ)
ここから、雇用保険については、出向者に賃金を払っている事業所で適用することが分かります。出向先と出向元と両方から賃金が支払われているようでしたら、より多く支払っている方の被保険者とし、その事業所で保険料を申告・納付します。
なお、労災保険、雇用保険とも、労働局に対する保険料の申告納付については上記のとおりですが、実際に保険料を出向先と出向元でどのように負担については、出向先と出向元の契約によって決めることができます。
労働保険の申告は7月ですが、集計する年度は前年度の4月から3月分までです。
年度の区切り方については、下記のブログ記事をご参考にご覧ください。
7月には、社会保険の算定基礎届の業務もありますので、あわただしくならないよう早めに取り組んでおきましょう。
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