GERBERA PARTNERSブログ

人事制度|人事制度を作るのに等級制度って絶対に必要なの?

2014/09/30

Q ずいぶん前に設計した人事制度を見直そうと思っています。人事制度には等級制度が不可欠とのことですが、飛び級する社員もいるので等級制度は省略しようかなと思っていますが、いかがでしょうか。

 

A もちろん等級制度には合わない社員さんもいらっしゃるかと思いますが、等級制度はそのような特殊な社員さんに向けたものではなく、一般的な社員さんに向けたものと考えます。そのため、人事制度の運用において道しるべともなる等級制度は、不可欠と考えます。

 

 等級制度は、大きく分けて3種類あります。社員の何に着目するかによって、採用する等級制度は変わります。「能力」「職務」「役割」のいずれかに着目することになり、それぞれ「職能等級」「職務等級」「役割等級」と呼ばれます。「職能等級」は、資格制度に絡めて運営されることが多いため、「職能資格等級」とも呼ばれます。それぞれのメリット・デメリットがありますのでご紹介させていただきます。

 

 まず職能資格等級制度は、能力を基軸とし、その発展段階により等級区分する制度です。企業が順調に成長・発展する時期に導入しやすく、一般職が能力を高めるにはうってつけの制度です。能力によって等級が区分されることもあり、ベテランが増える中高齢者層に対してはやや物足りなさを感じます。

 

 職務等級制度は、仕事を基軸にしてその価値の大きさ等により等級区分を検討しようという制度で、仕事の価値に応じて賃金を払います。急激な技術革新により仕事の価値が変わる場合はマッチせず、また人事ローテーションを行いながら人材育成をする日本企業にはなじまないとされています。

 

 役割等級制度は、大企業を中心に、職能資格等級制度から移行する企業が多いですが、まだ歴史が浅いため、これといったモデルがないのも特徴の一つです。役割の重要度により等級区分する制度で、あらかじめ役割ごとに目標設定を行い、その達成度をもとに処遇を決定する制度で、社員の自主性や自立性を最大限に引き出せるというメリットがある反面、役割が増えて行く社員を高く評価してしまう傾向にあるため、役割の拡大を好まない社員には不向きな制度となります。

 

 ほかにもいろんなメリット、デメリットがありますので、人事制度を構築する際は、まずは等級制度についてじっくりと戦略を練っていただければと思います。