2025/01/20
A、技能実習・特定技能のあり方に関する有識者会議の中間報告書では、技能実習制度と特定技能実習制度の連結性を高めるためにも「キャリアパス制度」の構築が必要とされています。詳細の公表はまだ先となると思われますので目安となる建設キャリアアップシステム(CCUS)を例に解説します。
建設キャリアアップシステム(CCUS)では、令和5年6月に国土交通省より「レベル別年収」が公表されております。この資料に記載されている年収額に法的拘束力ははなく支払いを義務付けるものではありませんが、日本人も含めた建設業に従事する技能者の経験に応じた処遇を示す指標となっています。
(初級技能者:下位~中位) | 3,740,000円~5,010,000円 | |
(中堅技能者:中位/就業3年以上) | 5,690,000円 | |
(職長レベル:中位/就業7年以上) | 6,280,000円 | |
(登録基幹技能者レベル中位~上位) | 7,070,000円~8,770,000円 |
出典:国土交通省「建設キャリアアップシステムにおけるレベル別年収の公表(PDF)」
一方、建設分野2号「特定技能外国人に求める実務経験」については建設キャリアアップシステム(CCUS)能力評価基準のレベル3相当の就業日数を必要な実務経験とするとされました。
この基準に従うと建設分野特定技能2号は6,280,000円がモデル年収となり、その他レベルにおいても単純に就業日数基準を在留期間に当てはめて考えると特定技能1号は5,690,000円、技能実習(または新制度)は3,740,000円からとなります。
現在の技能実習生の処遇と比較してみると良いかもしれません。
ちなみに技能実習制度見直しにかかる有識者会議資料として「技能実習/特定技能外国人に対する賃金の支払い状況(令和3年度・月平均支給額)」が公表されていますが、建設職種においては、技能実習1号:166,536円/技能実習2号:197,413円/技能実習3号:240,201円/特定技能1号:285,339円と全ての職種/分野の中で、最も高い支給額(技能実習1号を除く)となっています。
新たな育成就労制度においては建設分野だけではなく、全ての分野においてキャリアに応じた年収額が設定される可能性もあります。
ただし、新制度で処遇基準が設定されなかったとしても、国際的な労働力獲得競争が年々激化する現状においては、これまでの業務フローや送出機関・受入企業との関係性、育成・支援体制等を大きく見直す時期であるのではないかと思われます。
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