2025/12/22
A、新制度での監理支援機関についてですね。監理団体が今から準備すべきことと監理支援機関への申請をしない場合の影響について解説します。
2027年から現行の技能実習制度は廃止され、新たに「育成就労制度」がスタートします。この制度改正は、外国人材の保護強化と、日本の人手不足産業への安定的な人材供給を目的とした大きな転換点となります。特に、現在の監理団体にとっては、事業の存続や方向性を左右する重要な局面となるでしょう。
今回は、監理団体が今から準備すべきことと、仮に新制度における「監理支援機関」への申請を行わなかった場合に何が起こるのかを見ていきたいと思います。
育成就労制度では、外国人を「実習させる」制度から、「育成しながら就労させる」制度へと理念が明確に転換されます。労働者としての性格がより強く意識され転籍の仕組み、相談・保護体制、監督機能が大幅に強化されます。
これに伴い、これまで技能実習制度を支えてきた監理団体は、そのままでは新制度で活動できず「監理支援機関」としてあらためて許可を受ける必要があります。
第一に重要なのは、監理支援機関としての許可要件を満たす体制整備です。新制度では、管理体制や透明性がこれまで以上に厳しく問われます。具体的には、常勤職員の確保、安定した財務基盤、個人情報管理体制の整備などが前提となります。
加えて、新制度では外部監査人の設置が義務付けられ、3か月ごとの定期監査を受ける体制を構築しなければなりません。弁護士や社労士など、独立性を有する第三者によるチェックが求められる点は、従来の技能実習制度との大きな違いです。
第二に、制度理解と業務内容の転換が不可欠です。育成就労制度では、単なる書類管理や形式的な巡回ではなく、育成計画の進捗管理、育成就労者からの相談対応、転籍時の支援など、より「人」に寄り添った支援が求められます。社内マニュアルや職員研修の見直しは避けて通れないでしょう。
第三に、受入企業(育成就労実施者)との関係再構築です。企業側も新制度への対応が求められるため、監理団体には制度説明や実務支援の役割が強く求められます。単なる仲介者から、制度運用を支えるパートナーとしてへの転換が重要になります。
では、監理団体が監理支援機関としての申請を行わなかった場合、どうなるのでしょうか?
結論から言えば、2027年以降、育成就労制度の枠組みで業務を行うことはできなくなります。 新制度では、許可を受けた監理支援機関でなければ、育成就労者の受入れや支援業務に関与できないため、従来の監理業務は事実上終了することになります。
育成就労制度への移行にあたっては、既存の技能実習生に対する経過措置が設けられる見込みです。そのため、監理支援機関へ申請しない場合でも、「すでに受け入れている技能実習生」「すでに認定・許可を受けている実習計画」については、一定期間、現行制度に基づく管理・支援業務を継続できると考えられます。
ただし、制度移行時点で実習生や企業が宙に浮かないようにするための「整理期間」であり、当該業務を終え次第終了となります。
こうして見ていくと監理支援機関への申請を行わない場合、受入企業との契約継続が難しくなり、多くの企業は別の監理支援機関へ移行することが想定されます。監理団体としての主要事業を失う可能性が高いと言えるでしょう。
一方で、申請を行わない選択肢が必ずしも「撤退」を意味するわけではありません。外国人材紹介、定着支援、研修事業など、周辺領域へビジネスモデルを転換する道も考えられます。ただし、その場合も早期の戦略検討が不可欠となります。申請するのか・しないのか、申請するならばどこまで体制を整えるのか、まさにこの問いに向き合う時期と言えるでしょう。
ガルベラ・パートナーズでは、実務専門家によるご相談を随時受け付けております。ご不明なことなどがございましたらお気軽にお問い合わせください。
参考資料:育成就労制度の概要 (厚生労働省:PDF)
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