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労務管理|無期転換した従業員の労働条件について

2018/10/22

Q、2018年4月以降、無期転換制度が本格稼働し始め、無期転換の申込をする従業員も現れました。無期転換してもらうと、正社員と同様の処遇をする必要があるのでしょうか。また、無期転換をした従業員に、それまで以上の職務を任せたり、転勤してもらったりしてもよいのでしょうか。


 

A、従業員が無期転換した場合の労働条件は、別段の定めがない限り、契約期間についての定めを除き、直前の有期契約における条件がそのまま引き継がれます。そのため、必ずしも正社員と同様の処遇をする必要はありません。また、職務や異動の範囲は、無期転換後の労働条件に別段の定めが設けられた場合は、その内容によることとなります。

 

解説(公開日:2018/10/22)

 

無期転換ルールとは、同一の使用者(会社)との間で、有期労働契約が更新されて5年を超えることとなったときは、従業員の申込により、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるというものです。

 

従業員が無期転換の申込をすることにより、契約期間は有期から無期に転換されますが、無期転換後の労働条件は、労働協約や就業規則、個々の労働契約で別段の定めがある場合を除き、直前の有期労働契約と同一の内容となります。

 

そのため、無期転換した従業員にどのような労働条件を適用するかは、十分な検討を行っておく必要があります。そして無期転換した従業員の労働条件に、会社として一律に別段の定めを設ける場合は、無期転換した従業員に適用する就業規則においてその旨を規定する必要があります。特に、有期契約労働者には想定されていない定年などの定めは、必要に応じて設けることとなるでしょう。

 

そうすると、無期転換した従業員に適用される就業規則に、従来の有期労働契約と異なる労働条件をどの程度まで定めてよいのか、という疑問が浮かび上がります。具体的には、正社員並みの責任を負わせてよいのか、職務内容を拡大してよいのか、転勤をさせてよいのか・・・などといったことです。

 

就業規則に定められた労働条件が労働契約の内容となるには、その就業規則に定められている労働条件が合理的なものであり、かつ、従業員に周知されていることが前提となります。しかし、就業規則に定められた労働条件の合理性の判断は、個々の労働条件について司法において判断されることとなるため、今後の判断の積み重ねを待つしかありません。

 

しかし、少なくとも、実際上の必要がないにもかかわらず職務内容を拡大したり転勤させたりするなど、従業員の無期転換の申込を避ける目的で、無期転換後の労働者に適用される就業規則において「別段の定め」を設けることは、望ましいものとはいえません。この場合は合理性が認められない可能性もあると考えられるため、注意が必要です。

 
 
 


 
 

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