GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|【新時代のサービス】退職代行会社とは何ですか?

2019/09/27

Q、最近、退職代行サービスが流行していると聞きます。もし連絡が来たらどのような対応すればよいのでしょうか?


 

A、退職代行会社は、代理人とか、交渉代行ではないというスタンスを取っていますので、連絡役としてお考えいただきたいと思います。退職代行会社は、労使紛争を拡大する意図はないことが一般的かと思われますし、弁護士監修のもと法律上の対策が取られていますので、相手側と非難するような感情的なやり取りは無用です。冷静に労働者本人の意向を確認した上で、「退職届のやり取り」「年次有給休暇の消化」「賃金精算」「貸与物の返却等」「健康保険証の回収、離職票の発行」等の退職処理を粛々と実施することになります。(退職代行会社を介しての連絡となる場合が多いです。)

 

解説(公開日:2019/09/27 最終更新日:2019/10/05)

 

【1】退職代行サービスとは?

「退職代行」をネット検索しますと、30以上の事業者が掲載されたランキングや比較サイトが出現する状況であり、たいへんな活況を呈しています。価格的にも、2万円台からのサービス提供もあるようです。

 

企業担当者の感覚からしますと、労働者がこのようなサービスを使う意味が分かりにくいと感じてしまうのですが、無理な慰留や脅迫的な退職妨害を行うブラック企業が現実に存在することは事実であり、そうした状況を考えると、労働者がこうしたサービスに費用を払うことにも一定の合理性があるのかもしれません。

 

人気の事業者としては、業界の草分けといわれている「退職代行EXIT」のほか、「退職代行ニコイチ」「退職代行サラバ」「辞めるんです」等の事業者もよく広告を目にしますので、人気の有力事業者であると思われます。その他にも、一部の弁護士法人でもサービス展開を強化しているような広告を目にします。

 

ただし、「代行」とは謳ってはいるものの、非弁行為にならないように、代理行為はできないという線引きのもと、弁護士の監修を受けて事業展開している事業者が大半です。

 

基本的には、連絡役というスタンスに徹しているようであり、労使紛争を拡大する意図はないことが一般的かと思われますので、必要以上に腫れ物扱いすることなく、まずは冷静にコミュニケーションをとるべきかと思います。

 

ただ一般的な退職代行会社(株式会社形態)とは異なり、弁護士法人が受託しているケースは、未払残業等の紛争事項の取扱いも当然にありえますので、一概に考えることはできません。また、最近では労働組合形態でこうしたサービスを実施している新業態もあるようであり、日進月歩のサービス革新に目を見張る状況です。

 

【2】企業側の対応

こうした事業者は、前述のとおり非弁行為と非難されないように対策を打ち、またこの手のストレスフルなコミュニケーションについても事業として手慣れている状況ですので、企業側が動揺して感情的なやり取りをしないようにご注意いただきたいと思います。感情的になって退職代行業者に怒りをぶつけても何の意味もありません。おかしな対応をしてしまった挙げ句、やり取りを記録されたり、録音されたりするようなリスクがないとも言い切れません。

 

退職代行サービスを使う時点で、労働者本人との交渉や慰留の可能性はほとんどありませんので、事実ベースで冷静に労働者本人の意向を確認した上で、「退職届のやり取り」「年次有給休暇の取得」「賃金精算」「貸与物の返却等」の退職処理を粛々と実施することになります。

 

なお、年次有給休暇の残数がある場合に退職日のとの兼ね合いで調整が難航する場合があります。退職日までに使い切れない年次有給休暇が有る場合は、本人の意向(放棄するのか、失効分の買取りを希望するのか)を確認した方がよろしいでしょう。

 

また、アルバイト社員には年次有給休暇は存在しないと強弁したり、そもそも残数管理をしていない企業もあるのですが、そのようなブラック企業的対応は、退職代行会社には通用しませんし、そうした企業側の無知は格好の攻撃材料にもなりえるところですから、冷静に法令に則った処理を行うようにしていただきたいと考えます。

 

また、このような退職状況になると、引き継ぎリストを作成させたり、秘密保持の誓約書を徴求したりという対応も困難になります。退職代行会社から連絡が来て慌てるのではなく、業務引き継ぎ事項や秘密保持については、平時からきちんと対応すべきという教訓にもなります。

 

【3】退職代行サービスが企業に投げかけるもの

企業の皆さまにぜひともお考えいただきたいことは、このようなサービスがこれだけ活況を帯びるということの意味です。

 

たった一枚の退職届を提出するのに、個々の労働者にとっては、決して少額ではない数万円をいう金銭を払ってまでメッセンジャーを雇うということの意味はよく考える必要があります。

 

人手不足と言われて久しい状況ですが、企業側の人事施策はきちんと機能しているのでしょうか。人事施策といえば「採用」にばかり目が向きますが、「リテンション」「離職防止」「退職者インタビュー」など、そもそも退職を防止する施策をまともに実施している経営者や人事部門がどのくらいあるのでしょうか

 

終身雇用が崩壊したいま、もちろん20年も30年も一つの企業に勤めるということはもうないことと思われます。ただ、企業として短期退職や想定外退職が多いとか、優秀な人材ほど辞めやすいという状況があるのであれば、そうした状況に鈍感にならないようにしたいものです。時代は変わっています。

 

自社の人材プールが穴の空いたバケツになっていないか、またやりがい搾取のような環境になっていないか、労働者の責任感につけ込んで無理な退職慰留を行うような圧力がなかったかなど、社内点検を行っていただきたいと思います。

 
 


 
 

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