GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|労基署調査 初動対応のポイント

2021/04/19

Q、労働基準監督署より調査を実施する旨の書面が届きました。調査の準備をするにあたって、注意するべきことやポイントを教えてください

A、

  1.  1.調査日までに準備できる書類は準備しましょう。
  2.  2.指定された日時に対応が難しければ、調査日の変更のお願いをすることも検討しましょう。
  3.  3.資料の改ざんは絶対にしてはいけません。

上記3点を意識しながら準備を進めていきましょう。

 

解説(公開日:  最終更新日:

 

労働基準監督署の調査は突然やってきます。労働基準監督署の調査の案内方法は大きく2パターンあります。1つは企業の事業所に突然労働基準監督官が訪れてその場で調査が実施されるパターンです。そしてもう1つは郵送などで事前に事業所に書面を送り、指定された日時、場所で調査を実施するパターンです。

 

労働基準監督署の調査時に必要な書類について、労務管理の整備が十分でない企業にとっては、指示されている書面がそもそもないといったようなこともあったりして、初動対応とし何をしていいのか困惑することもあると思います。本稿では労働基準監督署の調査が実施される際に、案内が届いてから調査日までの初動対応のポイントについて述べていきます。

(注)今回は、労働基準監督署から調査実施の案内が届いてから調査実施日までに時間があるパターンについて述べていきます。

 

1.準備できるものは準備する

労働基準監督署の調査が行われる際に必要な書類はたくさんあります。具体的に必要な書類を一部例示しますと、

  1. ・労働者名簿
  2. ・賃金台帳(直近3~6ヶ月分)
  3. ・勤怠記録がわかるもの(タイムカードや出勤簿等 直近3~6か月分)
  4. ・勤務シフト表
  5. ・就業規則
  6. ・労働条件通知書(雇用契約書)
  7. ・時間外・休日労働に関する協定届(三六協定)
  8. ・その他労使協定書類
  9. ・健康診断の実施結果がわかる書類

などがあります。(調査の内容次第ではさらに他の書類が必要な場合があります。)

 

上記の書類のうち、もし指定された書面がないという場合は、初動対応として、調査日までに作成できるものは作成してしまうことが一番です。また、三六協定のように労働基準監督署に届出が必要なものについても、調査日までに作成・届出が可能であれば届出まで済ましてしまうことをお勧めします。

 

調査時においては、指定された書面がないとなると、書面を作成するようにと労働基準監督署から指導が入ります。よって調査日までに指定された書面を作成や届出をすることにより、指導をされる項目が少なくなります。また、場合によっては、きちんと対応をしている企業として労働基準監督署が見てくれる場合もあります。そうなると、調査がスムーズに進むこともあるので、初動対応としてできる限り書類を準備することは非常に重要です。

 

2.調査日の変更について

指定された日時に他の予定が入っている。会社の繁忙時期である。調査日までに資料の準備が間に合わない等々、どうしても指定された日時に調査の対応ができないという場合については、初動対応として労働基準監督署に調査日の変更をお願いすることも一つの方法です。必ず指定された日時に調査を受けないといけないという決まりはありません。よって労働基準監督署も調査の日程の変更については、柔軟に対応しているところが多いです。

 

ただし、労働基準監督署内で一度に複数の事業所を集めて調査を実施する場合や、労働者からの申告があることによって労働基準監督署が調査を急いでいる場合などは、日程の変更を受け付けないこともあります。その際は指定された日時で調査を受ける必要があります。

 

3.書類のごまかし、改ざんについて

例えばタイムカード上の記録では残業が発生しているが、残業手当を支給していないとなると、調査時においては残業手当を支払うように指導されます。それを避けるために、初動対応として勤怠記録を改ざんし、書面上は残業がなかったようにすればいいのではと感じる方もいるかもしれませんが、これは初動対応としてはもちろん、いかなる場合にも絶対にしてはいけない行為です。

 

一見、書面上では残業が発生していないように見えることから、指導から免れることができるのではと思うかもしれません。しかしながら労働基準監督署は日々様々な企業の調査を行っているプロです。少しでも疑問に思った書類についてはその信憑性を確認するために、様々な角度から確認をします。また、事前に労働者から企業の労務管理の実態の情報を得ていて調査を行っている場合もあります。特に事前に情報を得ている場合は特に、労働基準監督署は書類を改ざんしていることにすぐ気がつきます。

 

書類のごまかしや改ざんがわかると、労働基準監督署はその企業について厳しく指導をします。そしてその改ざんの内容が悪質なものであると判断すると、企業に対して書類送検するなど極めて厳しい対応をします。初動対応の時に少しの出来心で書類の改ざんすることは、後に企業に大きな経営上のダメージを与えてしまうことにもなりかねません。当たり前のことではありますが、書類のごまかし、改ざんは些細な部分も含めて行わないようにすることが必要です。

 

4.まとめ

労働基準監督署の調査は日頃からの労務に関する事前対策と初動対応における内容で指導内容の結果がほぼ決まります。また、事前対策が不十分であったとしても、調査の実施が決まってから調査日までの初動対応の準備次第で、指導内容が大きくかわることもありえます。しっかりとした初動対応を行い、調査に臨みましょう。

 

社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、この労働基準監督署の初動対応対策、調査対応はじめ、企業様の労務管理のご相談に実務上の観点からきめ細やかにお答えしております。労務管理でお悩みの場合は、お気軽に下記お問合せフォームよりお申し付け下さい。

   

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