2021/06/09
A、適切な選出方法により民主的な方法であれば、労働者代表を電子的な方法で選出することは可能です。
「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)」を締結する際に、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)を選出し、労働者側の締結当事者とする必要があります。
使用者が独断で指名した従業員や管理監督者を労働者代表にするなど、適正な形で労働者代表を選出していないと、36協定自体が無効となる大きなリスクが発生してしまいます。
社員集会などでの投票、挙手のほか労働者の話合い、持ち回り決議などが一般的な選出方法(いずれも労働者の過半数が代表者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きで選出する必要があります)でしたが、コロナ禍によりそのような選出が難しくなってきている状況かと思われます。
ChatworkやSlackなど社内でのチャット機能を使用して「36協定締結にあたり、労働者代表(過半数代表者)を選出することが必要である旨」のグループを作成し、社内に知らせます。労働者代表候補が決まったら、信任か不信任かのコメントをしてもらいます。
また、グーグルフォームなどの投票フォームを使用して、上記の内容を従業員に周知配布して、信任か不信任かの投票をしてもらうという方法もあります。
「e投票」などのクラウドソフトを使用して電子投票を行います。
会社人事労務担当が一括案内機能により過半数代表者選出(従業員代表者選出)の案内メールをします。(メール利用の場合)メールアドレスを持たない従業員には、選挙用QRコードを配布します。従業員は案内メールのパスワード付アドレスもしくは選挙用QRコードから投票画面を表示して、インターネットで投票をします。
利用するソフトにより機能は違いますが、標準フォーマットがあり案内文作成が簡単にできる。回収率があがる可能性が高い。自動集計機能があるので、リアルタイムに提出状況の確認ができて、社内で1人1人の集計の手間が省ける。といったメリットがあります。
以上、コロナ禍により、従業員が集まることが物理的に難しい状況かと思われますので、チャット等の社内機能を活用したり、投票ソフトを導入することにより、労働者代表を電子的な選出で進めることも検討していく時代となっているかと思われます。
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