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労務管理|【内部通報関連】人事労務の相談窓口を社外に設けることの意味

2021/12/01

Q、ハラスメントや同一労働同一賃金への対応として会社に相談窓口を設置することが必要と言われています。社長の私としては、いつでも相談には乗るつもりですし、懇親会などでも社員と分け隔て無く会話をしているつもりです。「窓口」と言われても何が必要なのか分からないのですが、具体的な対応を教えてください。

A、人事労務の知見のある担当者・責任者を設置して、相談先や相談方法について社内に分かりやすく周知することが求められています。また、社内で相談しにくい内容(経営層や相談窓口に近い役職者が行為者になっている事案など)に対応するために、社外有識者に支援を求めることも有益と考えます。

 

解説(公開日:2021/12/01  最終更新日:2022/04/11 )

 

1.法令が求める相談窓口とは

相談窓口については、従業員側の受け止め方と会社側の受け止め方に温度差がある場合が多いようです。経営層に近い管理部門からすれば、「いつでも相談は受け付けているつもり」になっているものの、社内で明確に周知されていないために、法令上の義務が果たされているとは言い難い状況になっている場合があります。

 

また、内部通報規程は形式的に存在するものの、労働法令に定める人事労務関連の相談窓口としては機能していない場合、監査役が対応しているものの現場に遠く、人事労務の知見を持ち合わせていないといった状況もあります。

 

こうした状況を防ぐために、人事労務管理に知見のある有識者が相談を受け付ける体制を構築し、それを広く社内に周知しておくことが大切です。

 

下記に例示するとおり、各労働法令で、特定の相談窓口の設置が義務づけられているものが多くあります。人事労務管理はそれぞれ密接に関連しますので、相談窓口を集約することとで関連つけて利用がしやすいように整備することが望ましいと考えます。(例えば、ハラスメント-過重労働-メンタルヘルス不調 といったように問題が派生することが多いです。)

 

なお、ここにいう「相談」というのは、人生相談のように相談者に説教や言い込めをしたり、先輩として教え諭すような対応が求められているものではなく、丁寧に傾聴して、事実を確認進めて、問題の根本を解決するように会社に必要な報告を行うことが求められています。(例えば、相談に対して「それはあなたの考えすぎなので、あまり気にせず仕事に集中しなさい。」というように、窓口担当者の主観を押し付けるような対応は、典型的な不適切対応となります。)

 

(1)セクシャルハラスメントについて

男女雇用機会均等法第11条第1項

事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

 

(2)育児介護休業について

育児介護休業法第25条第1項

事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

 

(3)パワーハラスメントについて

労働施策総合推進法第30条の2

事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

 

(4)有期契約や短時間契約について

短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第16条

事業主は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に関し、その雇用する短時間・有期雇用労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならない。

 

(5)その他

  1. ・36協定の「心とからだの相談窓口」
  2. ・過重労働やメンタルヘルス不調に関する相談窓口
  3. ・裁量労働制の苦情相談窓口
  4. ・労働条件や就業規則についての問い合わせ窓口

など、法令や労使協定で求められる各種の相談窓口が存在します。

なお、法定の相談窓口に寄せられた相談内容については、例え世間話レベルで終わったとしても、適切に相談記録を取り、法定保存期間は保存しておく必要があることにご注意ください。また、相談者のプライバシーの保護は最も重要な点ですので、相談記録の保管にも厳重な注意を払いましょう。

 

2.二次相談窓口とは

社内で受けきれない相談内容を社外の有識者(顧問弁護士等)に委託して二次(社外)相談窓口を設置している企業もあります。

 

社内の相談窓口に相談するか、社外の相談窓口に相談するか、選択するのは従業員の自由ではあるのですが、従業員としては、社内では相談しにくいデリケートな事案であった場合に、社外の客観的立場の専門家に、相談できるメリットがあります。会社側にとっても、社内で相談しにくい内容だからといって、突然に行政機関に申告され、労使紛争のように取り扱われてしまうと必要以上に警戒をしてしまい解決が遠のくことがあるのですが、社外の客観的立場の専門家が入ることで、一定のクールダウン効果が期待できますし、専門家が本人の承諾が得て会社に対して勧告という形で助言することで、会社としても調査や対応に動きやすくなるというメリットがあります。

 
 

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