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労務管理|【36協定特別条項】健康福祉確保措置は何を選択すべきか

2022/03/10

Q、36協定届には、「健康及び福祉を確保するための措置」という項目がありますが、何を選択して、どういう形で実施すべきでしょうか。

A、項目選択については、それ自体に優劣があるものではないため、企業の実情に合わせてご選択をいただくようお願いいたします。
ただし、「上限時間超過者に対して確実に実施できるものであること」が必須条件です。何となくのイメージや見栄えだけで選択して、実施が伴わないことでは全く意味がありません。
また、いたずらに複数記載すると「いずれか実施」ではなく「全てを実施」として労働基準監督署には解釈されますので、確実に実施できる内容に絞り込むことも重要です。

 

解説(公開日:  最終更新日:

 

1.措置の選択について

措置の内容は、厚生労働省で用意している項目のうちから選択することが望ましいとされています。

労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針

(平成30年9月7日 厚生労働省告示第323号)

 

第八条(健康福祉確保措置)

労使当事者は、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置について、次に掲げるもののうちから協定することが望ましいことに留意しなければならない。

  1. 一 労働時間が一定時間を超えた労働者に医師による面接指導を実施すること。
  2. 二 法第三十七条第四項に規定する時刻の間において労働させる回数を一箇月について一定回数以内とすること。
  3. 三 終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること。
  4. 四 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること。
  5. 五 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること。
  6. 六 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること。
  7. 七 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。
  8. 八 労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること。
  9. 九 必要に応じて、産業医等による助言・指導を受け、又は労働者に産業医等による保健指導を受けさせること。
 

2.選択した措置はどのタイミングで実施するのか?

改正労働基準法に関するQ&A

(平成31年4月 厚生労働省労働基準局)

 

2-36

Q 36 協定の協定事項である「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」(則第 17 条第1項第5号)は、限度時間を超えるたびに講じる必要がありますか。また、限度時間を超えてからどの程度の期間内に措置を実施すべきですか。

 

A 「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」(則第 17 条第1項第5号)は、原則として、限度時間を超えるたびに講じていただく必要があります。また、当該措置の実施時期については、措置の内容によっても異なりますが、例えば、医師による面接指導については、1か月の時間外労働時間を算定した日(賃金締切日等)から概ね1か月以内に講じていただくことが望ましいです。

 

3.心とからだの健康問題についての相談窓口とは何なのか?

36協定の上限時間を超過して働くことは心身の疲労の蓄積につながるものですから、そうした体調面や仕事量についての相談ができるような相談窓口を設置、周知することが目的となります。労働基準監督署の意見として、衛生管理者等、一定の知見があるスタッフが相談にあたることが望ましいとされています。また、会社として公的な相談窓口ですので、相談内容や措置の内容は記録化して保存していく必要があります。

 

改正労働基準法に関するQ&A

(平成31年4月 厚生労働省労働基準局)

 

2-37

Q 指針に示された健康確保措置のうち、心とからだの健康問題についての相談窓口を設置することについて、相談窓口の設置さえ行えば、措置を果たしたことになるのでしょうか。また、この場合、どのような内容について記録を保存すればよいでしょうか。

 

A 心とからだの健康問題についての相談窓口については、それを設置することにより、法令上の義務を果たしたことになります。その際、労働者に対しては、相談窓口が設置されている旨を十分周知し、当該窓口が効果的に機能するよう留意してください。
また、この場合の記録の保存については、相談窓口を設置し、労働者に周知した旨の記録を保存するとともに、当該 36 協定の有効期間中に受け付けた相談件数に関する記録も併せて保存してください。

 

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