2015/12/22
Q 年末調整の書類を集めるのと同時に、従業員からマイナンバーを提供させていますが、ある従業員が「出さなくてもいいということを聞いたので出しません」と提供を拒んでいます。会社の対応としてどのようにすればよいでしょうか?
A マイナンバーの記入が義務付けられている「平成28年分 給与所得者の扶養控除申告書」を年末調整で回収する際に、マイナンバーの提供を受ける貴社のような会社は多く、ご質問のようなケースも出ているようです。
◇マイナンバーの記載は義務
平成28年1月1日以降は、確定申告書や源泉徴収票などの法定調書そして、雇用保険の手続きにマイナンバーの記載が義務付けられています。
このため会社は、従業員からマイナンバーの提供を受ける必要がありますが、記載しない場合であっても罰則は現在ありません。
国税庁および厚生労働省のQ&Aでは、従業員が提供拒否をしたために、マイナンバーを記入できなかった場合でも書類は受理されることになっています。
しかし、記載は義務であるため、安易にマイナンバーを記載せずに書類を提出することなく、記載は法律で定められた義務であることを従業員に伝え、提供を求めるように働きかけることは会社としては必要です。
従業員には、1回ではなく複数回依頼しそれでも提供がない場合には、会社の単なる義務違反ではないことがわかるように、その経緯を記録し保存してください。税務署などの調査の際に説明を求められることが有ります。(国税庁Q&Aより)
◇マイナンバー取り扱いルールの整備
従業員がマイナンバーの提供を拒む理由に、会社のマイナンバー管理体制への不信感があげられます。次のような、マイナンバー取扱の準備がまったくできていない状態では、番号を提供すれば情報の漏えいが懸念されるからです。
・会社の基本方針が明らかにされていない
・マイナンバーの利用目的が明らかにされていない
・どのような管理をするかが明らかにされていない、など
これらの体制が手つかずの場合には、早急な対応が必要です。マイナンバーを含む個人情報は特定個人情報と呼ばれ、その取扱いのプロセスは次のようになっており、そのプロセスごとの安全管理措置を取ることは、会社の規模を問わず必須となっています。
【取得】⇒【利用・提供】⇒【保管】⇒【利用停止・開示・訂正】⇒【廃棄】
具体的には、取得時の本人確認、利用目的の明示、取扱担当者の限定、保管方法別の安全管理の方法、利用の事績を取ること、退職後の番号の廃棄方法などがあげられます。
特定個人情報の漏えいには、厳しい法的罰則がありますので、会社にとっては負担の大きいところですが対応が迫られます。
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