2016/08/23
Q 最低賃金が10月に引き上げられると新聞にかいてありました。月給や日給の職員が最低賃金以上の設定になっているかどうかの確認は、どのようにすればいいのですか?
A 正社員だけでなくアルバイト等も含めて、国内で働く全ての人に最低賃金が適用されます。会社はこの最低賃金未満の給与で従業員を働かせることはできません。
最低賃金には、地域別と産業別の2種類があります。産業別最低賃金は特定の産業だけに適用され、地域別最低賃金は各都道府県別にさだめられています。
まずは、各都道府県産業別の金額を優先します。ただし、この金額が地域別の金額を下回る場合は、地域別の金額を適用します。いずれの産業区分にも該当しない場合は、地域別の金額を適用します。
産業別賃金が適用されるのは、その産業に直接携わるものだけでなく、事務職も含めて、その事業場で働く全ての労働者に適用されます。
ただし、下記の人には、産業別賃金は適用されず、地域別賃金が適用されます。
1.18歳未満または65歳以上の人
2.雇い入れ後一定期間未満で技能習得中の人
3.清掃または片付けの業務に主として従事する人
<最低賃金の算出方法について>
最低賃金は、時間給に換算して比較します。
1.時間給の場合
時間給 ≧ 最低賃金額(時間額)
2.日給制の場合
日給÷1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)
3.月給制の場合
月給÷(年間所定労働時間÷12) ≧ 最低賃金額(時間額)
□ 最低賃金額に算入しない給与
1.精皆勤手当、通勤手当、家族手当
2.臨時に支払われる給
3.与賞与など1か月を超える期間ごとに支払われるもの
4.時間外労働、休日労働、深夜労働に対して支払われる給与
つまり、最低賃金額の対象となるのは、主に基本給をベースとしたものとなります。
□ 最低賃金が減額される場合
下記のいずれかに該当する場合、都道府県労働局長の許可を受ければ、最低賃金を減額することができます。
1.精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者
2.試の使用期間中の者
3.基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受ける者のうち省令で定める者
4.軽易な業務・断続的労働に従事する者
厚生労働省の審議会は、10月からの最低賃金を、全国平均で過去最大となる時給24円の引き上げをすると発表しました。今後は、この金額を参考にしつつ、各都道府県労働局長が地域別最低賃金を決定することとなります。
金額が決定したら、従業員の給与額が変更後の最低賃金以上に設定されているかどうかを確認し、最低賃金未満であれば、10月の施行日から給与金額を変更しなければなりません。
弊社では、賃金制度の構築も含め、様々な人事制度のご提案を承っております。ぜひお気軽にご相談ください。
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