2016/10/18
Q 弊社では残業時間が月80時間を超える社員が過半数を占めています。残業時間に対しての規制が厳しくなると聞きましたが本当でしょうか?また、残業時間が長いとどのような危険がありますか?
A 長時間労働の慢性化が、心身及ぼす影響が問題になり始めてから久しいですが、平成12年の過労自殺を労災と認めた最高裁判例は大きな転機と言えるでしょう。
平成13年出された厚生労働省の基準では、月80時間以上の残業は、脳や心臓の疾患の発症原因として考慮されています。
行政の動きとして、昨年から「長時間労働撲滅運動」を推進しており、それを受けて、厚労省も長時間労働に対して重点監督を実施するなど、監督を強化してきています。
そしてその一環として挙げられているのが、時間外労働の時間制限に関する労働基準法の改正案です。
■36協定と特別条項
法律で決められた労働時間、1日8時間1週40時間を超えて従業員を働かせる場合には、「時間外労働に関する協定」いわゆる36協定を労使の間で結んで労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。
残業時間には国が定めている基準があり、月45時間年間360時間ですが、どうしてもこの時間に収まらない場合には、「特別条項」を設けて臨時的に延長することを協定することができます。
この「特別条項」の上限時間には、いまのところ制限がありません。
労働基準法の改正案では、この特別条項で定める時間外労働の上限と、それに違反した場合の罰則の新設が含まれるだろうと言われています。
来年以降の通常国会での改正に向けて調整を進める方針を固めた、という段階の情報ですから、まだまだ不確定ですが、労働基準監督署からの長時間に対する指導は今後厳しくはなっていくでしょう。
長時間労働が引き起こす危険ですが、第一に挙げられるのが、従業員の健康状態を害することです。
労働安全衛生法では、残業が月100時間を超えた従業員が希望したときには、医師の面接指導を受けさせることが義務になっていますが、企業側からも積極的に促すように、働きかけをすることが増えているようです。
残業を減らすにはまず会社風土の改善ですが、業務の整理、人員の配置、労働効率化といった取り組みが必要です。
ガルベラ・パートナーズでは、長時間労働に関するコンサルティングを承っております。ぜひご相談ください。
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