2017/08/09
A,高度プロフェッショナル制度については、いったんニュースで流れた政労使合意が見送られ、現在の実現見込みは定かではありません。
実現した場合の制度については、対象者、適用要件、長時間労働対策について、法案と連合の出した要請書の内容が参考になると考えます。
以下の解説に記載しましたので、ご確認ください。
高度プロフェッショナル制度とは、平成27年4月3日に、第189回国会に提出された労働基準法改正案に含まれる施策の一つで、具体的には、「職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。」という制度です。
労働基準法の改正は、「長時間労働を抑制するとともに、労働者が健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備するため」のものとされており、高度プロフェッショナル制度については、「多様で柔軟な働き方の実現」を目指すためのものであるとされていますが、一方で、労働者団体等からは「残業代ゼロ法案」と呼ばれたり、「長時間残業につながる」と言われたりと批判も浴びています。
この労働基準法改正案は、平成27年4月に第189回通常国会に提出され、平成28年4月1日の施行をめざしていましたが、これまで審議に入ることなく、現在(平成29年8月現在)まで継続審議扱いとなっています。
高度プロフェッショナル制度については、平成29年7月に、「日本労働組合総連合会(連合)が批判から容認へと転じ、法案修正に関する政労使合意が結ばれ、政府は連合の要請内容を盛り込んで法案を修正する」とのニュースが出ましたが、その後、連合が、政労使合意を見送ることとなりました。
平成29年7月に政労使合意が結ばれれば、今秋9月に召集される臨時国会で可決されて法案が成立する可能性が高かったと考えられますが、現在は不透明な状況となっています。
実際は、国会での審議によりますが、当初の法案と連合の要請書の内容から、現在、想定されるのは次のようなものです。
現在の先行きは不透明ですが、導入されれば、影響の大きな高度プロフェッショナル制度です。今週の臨時国会で審議されるのか、審議されたときには、法案がどのような内容に変わっていくのか、これからも動向に注視していきたいと思います。
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