GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|健康経営とはどのようなものでしょうか?

2017/12/20

Q、最近、耳にする「健康経営」とはどのようなものでしょうか。
健康経営に取り組むことで会社にメリットがありますか? また、取り組むとしたらどのように進めればいいのでしょうか。

A、健康経営とは、企業が「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」を言います。

健康経営に取り組むことにより、健康問題による従業員の欠勤率や出勤時の生産性低下を解消し、業績向上や組織としての価値向上へ繋がることが期待されています。

また、将来的な期待だけでなく、具体的に、会社の信用を高め、金銭的な優遇を受けられるメリットもあります。

 

 

解説(公開日:2017/12/20)

健康経営とは、従業員の健康維保持・増進を行うことをコストではなく、将来に向けた投資と考えて実践することです。現在、経済産業省、商工会議所、健康保険組合などが中心となって健康経営の普及を進めています。

 

1.健康経営に取り組むメリット

 

企業が、健康経営に取り組むことで得られるメリットは大きく3つあります。

  • (1) 従業員の生産性向上による業績の向上
  • (2) 企業イメージの改善、信用の向上
  • (3) 金融市場等における具体的なインセンティブを受けられること

 

(1) 従業員の生産性向上による業績向上

研究によれば、健康関連リスクには、生物学的リスク(①血圧、②血中脂質、③肥満、④血糖値、⑤既往歴)、生活習慣リスク(①喫煙習慣、②飲酒習慣、③運動習慣、④睡眠・休養)、心理的リスク(①主観的健康観、②生活満足度、③仕事満足度、④ストレス)があり、健康関連の各リスクの項目該当数数が多いほど、生産性損失が高くなり、高リスクの人は低リスクの人に比べ1人あたり30万円程度の損失があるといいます。

 

研究によるまでもなく、寝不足や体調不良で出勤しても、集中できずミスをしてしまう、いいアイデアが浮かばない…などということは、多くの方が経験していることではないでしょうか。従業員が健康を改善すれば、企業は、パフォーマンスの低下による1人あたり30万円の損失をなくすことができます。

 

健康経営では、アブセンティーズム (健康問題による欠勤)、プレゼンティーズム (健康問題による出勤時の生産性低下)という言葉を使い、在籍者の生産性の低下を問題にしていますが、従業員の不健康やストレスによる離職や、それに伴う新たな人材を確保するための採用コスト、人の入れ替わりによる技術・サービスレベルの低下等まで考えれば、健康経営に取り組まないことによる損失はさらに多大になると考えられます。

 

(2) 企業イメージの改善、信用の向上

健康経営に取り組む企業に対する顕彰制度があります。大企業なら、健康経営銘柄、健康経営優良法人(大規模法人)、中小企業・小規模企業なら、健康経営優良法人 (中小規模法人)、健康優良企業認定(健康企業宣言を行った会社が、取り組み・実績により認定を受けること)です。これらの顕彰を受ければ、ホームページや名刺にロゴマークを入れることができますし、健康経営に取り組んでいるというお墨付きをもらうことで、企業の信頼を高め、人材の採用がしやすくなることも期待できます。

 

(3) 金融市場等における具体的なインセンティブを受けられること

健康企業宣言にエントリーした企業、健康優良法人等に対して、具体的な経済のメリットもあります。例えば、東京都の企業の場合、健康企業宣言にエントリーすることで信用保証協会の信用保証率の優遇を受けられる、健康優良企業の認定を受けることで信用金庫の事業融資金利の優遇が受けられる等のインセンティブがあります(いずれも優遇を受けるためには条件があります)。また、経済産業省の「健康経営の推進に向けた取組」という資料には、入札評価等のインセンティブを想定している旨も記載されています。

 

2.健康経営に取り組む方法

 

(1) 健康経営について知る

まずは、健康経営がどのようなものか具体的に知りましょう。

健康経営の詳細について、経済産業省が出している資料をご紹介します。

 

企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~

(経済産業省ホームページ)

 

健康経営オフィスレポート(経済産業省ホームページ)

 

(2) 認定を受けるための取り組みをする

認定についての流れは次のとおりです。

スタートは、健康企業宣言することです。健康企業宣言のエントリーは、企業の属する協会けんぽや健康保険組合を通じて行います。

健康企業宣言の内容を取り組み・実施し、その取り組み実績の結果をもって認定を受けます。

 

健康企業宣言の取り組み内容には、例えば、定期健康受診率100%や食生活改善に向けた取り組みなどがあります。

 

具体的にどのような取り組みをするのかについては、健康経営優良法人の認定基準が決まっています。以下の表をご覧ください。

 

健康経営優良法人2018(中小規模法人部門)の認定基準

 

従業員に提供する飲み物をジュースからお茶と水に変える、会社に体重計・体脂肪計、アルコール消毒液を設置する等、できることからはじめてみましょう。

 

健康企業宣言から、健康優良企業認定までの流れについては、協会けんぽ東京支部のサイトにまとまっています。

 

「健康企業宣言」をはじめましょう(全国健康保険協会ホームページ)

 

3.まとめ

企業の一番の財産は人です。企業という器があってもものをつくったり、売ったり、サービスをする人がいなければ成り立ちません。人が採用できない、採用してもすぐにやめてしまう…、そんなお悩みがあるのであれば、健康経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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