2022/05/02
A、「賃金の支払いを使用者に代わって行うサービス」については「グレーゾーン解消制度」において、労働基準法違反にならないことが確認されていますが、その利用にあたっては、その事業所の提供するサービスが適法であるかしっかり確認しましょう。
労働基準法第24条において、賃金支払いの5原則が定められています。①通貨で、②直接労働者に、③その全額を、④毎月1回以上、⑤一定の期日を定めて、支払うという内容です。
ご質問の「賃金の支払いを使用者に代わって行うサービス」については、グレーゾーン解消制度により、労働基準法第24条に違反するものではないことが確認されています。
グレーゾーン解消制度への申請案件
事業名「賃金の支払を使用者に代わって行うサービス」
https://www.mhlw.go.jp/shinsei_boshu/gray_zone/gray_zone.html(厚生労働省)
※ 本稿においては、文章を分かりやすくするため、上記グレーゾーン解消制度の「申請者」を「サービス提供企業」と置き換えて記載いたします。
このサービスは、以下のような内容です。
グレーゾーン解消制度の確認においては、以下の理由から、この申請者が提供しようとしているサービスは、労働基準法第24条に違反しないと判断されました。
第三者が賃金の支払を受託してその支払に関与した場合であっても、賃金が労働者の手に渡るまで使用者の賃金支払義務が消滅しない場合には、これに抵触しない。
賃金支払期日を定めた上で、労働者の請求があった場合に、賃金の支払期日前であっても既往の労働に対する賃金を支払うことは、これに抵触しない。
「サービス提供企業」のサービスは、労働者及び照会者が、労働者の既往の労働に対応する賃金の額を管理、把握しており、他方、使用者は、この額及び「サービス提供企業」による支払状況を把握できるようになっていること、また、「サービス提供企業」を通じて労働者に対して支払われる賃金は、同サービスのアプリ上及び支払(振込)結果により、どの使用者との間での賃金か、及び金額の内訳がわかるようになっており、使用者からの賃金の支払であることが明確になっている。
上記から、賃金の支払いを使用者に代わって行うサービスは違法ではありません。1日単位で雇用するアルバイトへの給与支払い業務が負担になっている会社では、このようなサービスの利用を検討してみてもよいかもしれません。
ただし、「賃金の支払いを使用者に代わって行うサービス」といっても、業者により、提供する内容や労働者の負担が違うことも考えられます。利用の検討にあたっては、その支払い代行会社の提供するサービスが上記に記載した違反しないと認められた理由を満たした適法なしくみであるかどうかを慎重に確認してください。
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