GERBERA PARTNERSブログ

国際労務|本社人事部様必見 ~アメリカ海外赴任者へのオバマケアの影響と実務上の注意点 その2~

2015/03/24

Q 当社では、米国に駐在員を派遣しています。日本の健康保険に加入していると、オバマケアには加入しなくてもよいと聞いたのですが、実際はどのような状況なっているのでしょうか?

 

A 医療保険制度改革法(オバマケア)の概要については、ガルベラ・パートナーズQ&Aブログの記事(2015年3月10日投稿)でもご紹介していますので、ご確認ください。

 

 前回の記事でもご紹介しましたが、オバマケアでは加入しなければならない最低限の保障(Minimum Essential Coverage)が定められています。現地のマーケットプレイスで販売されている医療保険は、MEC適合ですが、保険料が高く、患者の自己負担金も発生することから、キャッシュレスの海外旅行傷害保険と比較して、駐在員にとっては使いづらいものになります。

 

 そこで、日本政府では公的な健康保険をオバマケア適合として認めてもらえるよう、米国連邦政府と交渉を進めておりますが、解決に向けて、一定の方向性が見えてきている状況ですので、ご紹介いたします。

 

 在ニューヨーク日本国総領事館発表(2015.3.18更新)

 「米国医療保険制度改革法の在留邦人への適用について

  

 以下に、重要部分を引用します。

 

~全国健康保険協会によって運営されている医療保険について、米国医療保険制度改革法の定める基準を満たした医療保険と認められる旨の回答がありました。これにより、全国健康保険協会によって運営されている医療保険の加入者については、米国の医療保険に加入していない場合であっても、確定申告の際、shared responsibility payment(SRP)を支払う必要はありません。~

 

~健康保険組合及び共済組合については、米国医療保険制度改革法の手続きなく、同法の定める基準を満たした医療保険とみなすことができるとの回答がありました。~

 

 詳細は上記HPをご覧いただき、今後の更新もチェックしていただきたいと思いますが、日本の公的医療保険に加入していれば、別途マーケットプレイスで保険を購入する必要はないと判断できる内容です。すなわち、これまでの一般的な海外駐在員の取扱と同様に、在籍出向として本社の健康保険を継続しながら、民間の海外旅行傷害保険に加入するという運用が可能となります。

 

 ただし、このような運用を行う上で、ご注意いただきたい点があります。

 

(1)日米社会保障協定

 米国駐在員が日本の健康保険を継続できるのは、社会保障協定の原則として5年までとなっています。ただし日米間特例として、3年の延長であれば、必然的な延長理由が確認できれば、柔軟に対応してもらえることになっています。それ以上の延長となると、相当の理由を証明する必要があるため、実務上は8年が上限と考えた方が良いようです。

 

(2)shared responsibility payment(SRP)

 オバマケア未加入の場合のペナルティですが、「世帯収入の1%」もしくは「大人一人あたり$95」のどちらか大きい方の金額を支払うことになります。オバマケアは高いということで、この金額を払い未加入のままにして様子見をするという選択肢もあるように思えます。

 しかし弊社パートナーの現地会計事務所に確認したところ、この金額は、あくまで現状のもので、専門家の見解では、今後上がっていくことが確実視されているとのことです。

 会社の方針として、8年超の長期駐在を避けがたい場合は、日本の公的な健康保険を継続できない事態を想定して、オバマケアへの加入を駐在コストとして真剣に検討する必要があります。

 

(上記の内容は、2015年3月現在の情報に基づいています)

 

 弊社では、海外赴任者の給与設計や福利厚生などの規程作りを全面的に支援させていただき、多くの企業様にご導入いただいております。制度の見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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