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国際労務|海外赴任者が現地で結婚した場合は社会保険の被扶養者に該当しますか?

2025/11/21

Q、海外赴任中の社員が、赴任先で結婚しました。配偶者は現地在住で収入もありません。この場合、日本の健康保険の「被扶養者」として登録することは可能でしょうか?

     

A、令和5年の厚生労働省通達により、海外赴任中に婚姻した配偶者は「生活の基礎が日本にある」と認められる場合、被扶養者として登録可能です。帰任予定や生計維持関係を確認できれば認定の可能性があります。

 

解説(公開日:2025/11/21)

 

厚労省通達が示す「海外赴任者の特例」とは?

 

海外赴任中の被保険者に関しては、厚生労働省の通達「被扶養者の認定事務等の取扱いについて」(Q16)により、通常とは異なる特例的な取り扱いが認められています。

 

1.対象となるのは「海外赴任中に新たに身分関係が生じた者」

通達では、次のように定義されています。

被保険者が外国に赴任している間に、出生・婚姻などで身分関係が新たに生じた者であって、海外赴任後に日本で生活すると予定されているなど、日本国内に生活の基礎があると保険者が認める者

 

具体例として、以下が挙げられています。

  • 〇 海外赴任中に生まれた子ども
  • 〇 海外赴任中に現地で結婚した配偶者
  • 〇 特別養子

つまり「海外赴任に付随して生じた家族関係」については、被扶養者として認定される余地が明確に示されています。

 

2.要件①:日本に生活の基礎があること

健康保険の被扶養者は、原則として「生活の本拠が日本国内にあること」が求められます。

海外赴任中のケースでは、次のような状況が確認できれば、「生活の基礎が日本にある」と判断されやすくなります。

  • 〇 赴任終了後、日本へ帰国して生活する予定である
  • 〇「日本人の配偶者等」「家族滞在」など、日本で生活可能な在留資格を予定している
  • 〇 夫が主要な生計維持者である(妻に収入がない)
  • 〇 特に 生計維持関係 は必須で、妻側に安定的な収入がある場合は認定が難しくなります。
 

3.要件②:身分関係を証明する公的書類が必要

通達では、次のような証明書類の提出が求められます。

  • 〇 現地政府発行の婚姻証明書
  • 〇 日本での戸籍(婚姻届提出後)
  • 〇 夫の海外赴任辞令
  • 〇 経済的扶養関係を示す書類(送金記録や課税証明等)

これらは年金事務所や健康保険組合によって指示が異なるため、事前に確認されることをおすすめします。

 

4,参考サイト

 

5.まとめ

今回のご相談は、厚労省の通達に明記されている「海外赴任中に現地で結婚した配偶者」に該当します。

したがって、日本に生活基盤があると判断でき、書類が整えば、被扶養者として認定される可能性が高いという結論になります。

 

海外赴任に関する社会保険・雇用管理・在留資格など、専門的なサポートが必要な企業様は、ぜひ当事務所へご相談ください。

最新の法令・通達に基づき、最適な運用をご提案いたします。

   

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