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年次有給休暇|年次有給休暇の出勤率算定にあたっての特別休暇の取扱い

2022/09/12

Q、当社では、慶弔休暇をはじめとし、リフレッシュ休暇、誕生日休暇、ボランティア休暇などの様々な特別休暇を設けています。これら特別休暇を使って休んだ日については、年次有給休暇の出勤率の算定上、出勤したものとして取り扱うものでしょうか。それとも、欠勤と同様に取り扱うものでしょうか。

A、会社が任意に定める慶弔休暇等の特別休暇によって休んだ日の、年次有給休暇の出勤率算定上の取扱いは、会社ことの定めに委ねられています。出勤したものとして取り扱うのはもちろんのこと、欠勤と同様に全労働日に含めたうえで出勤しなかったものとして取り扱うことも可能ということになります。

 

解説(公開日:  最終更新日:

 

【1】年次有給休暇の権利発生要件

年次有給休暇は、以下の要件を満たしたときに権利が発生します。

  1. 入社日から6か月間継続勤務し、以降1年ごとに継続勤務していること
  2. 入社日から6か月間、以降1年ごとの期間における全労働日の8割以上出勤していること
 

【2】継続勤務について

①の「継続勤務」とは、労働契約の存続期間(在籍期間)をいうものとされています。したがって、定年後引き続き再雇用された場合や、試用期間が終了して本採用された場合、有期労働契約が更新された場合、在籍出向した場合、休職していたが復職した場合などは、「継続勤務」しているものとして、勤続年数に加算されます。

 

「継続勤務」か否かは、勤務の実態に即して実質的に判断されるべきものであるとされています。

 

【3】出勤率の算定について

②の「全労働日の8割以上出勤」というのは、下記のように計算します。

  1. 出勤日 ÷ 全労働日 ≧ 0.8

このとき、分母である「全労働日」とは、原則として6か月又は1年の総暦日数から所定休日・法定休日の日数を控除したものになります。ただし、以下の日は「全労働日」から除外されます。

  1.  ・所定休日・法定休日であって労働させた日
  2.  ・不可抗力による休業日
  3.  ・会社側に起因する経営、管理上の障害による休業日
  4.  ・正当なストライキその他の争議行為により労務の提供が全くなかった日
  5.  ・代替休暇を取得して終日出勤しなかった日
 

また、分子の「出勤日」には、現実に出勤した日のほか、以下の日を含むものとされています。

  1.  ・業務災害により、療養のため欠勤した期間
  2.  ・産前産後休業期間
  3.  ・育児休業、介護休業期間
  4.  ・年次有給休暇を取得した日
  5.  ・労働者の責めに帰すべき事由とは言えない不就労日

なお、遅刻や早退をした日は、一部とはいえ出勤しているため、出勤した日として取り扱うことになります。

 

上記のとおり、会社が任意に定める特別休暇については、その取扱いが定められていません。したがって、会社ごとに定めることになりますが、特別休暇を設けた趣旨から考えても、出勤したものとして取り扱うことが望ましいのは言うまでもありません。

 

特別休暇のほか、労働基準法第68条の生理休暇や、通勤災害による休業日、法定を上回る産前産後休業・育児休業・介護休業の日についても同様で、法令等によって出勤率算定上の取扱いが定められていないため、会社ごとに定める必要があります。

 

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